「QualcommSnapdragon 8cx Gen 3」「Snapdragon 7c+ Gen 3」「Snapdragon G3x Gen 1」発表!前世代から大幅な進化を感じさせるSoC!
QualcommがSnapdragon Tech Summit 2021の2日目にて、新型SoCのSnapdragon 8cx Gen 3、Snapdragon 7c+ Gen 3、Snapdragon G3x Gen 1の3製品を発表しています!
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Snapdragon 8cx Gen 3の特徴
Snapdragon 8cx Gen 3の特徴は以下の通り!
Snapdragon 8cx Gen 3のハイライト
- Windowsが動作するプロセッサとしては初の5nmプロセスのプロセッサ
- CPU性能は前世代より85%向上、GPU性能は60%向上!
- 5G接続に対応。モデムは3パターンから選べる!
- Windows Hello、Microsoft Plutonに対応
Snapdragon 8cx Gen 3は、5nmプロセスを採用。Windowsが動作するプロセッサとしては世界初と謳っています。
Snapdragon 8cx Gen3は性能面でも一段以上もパワーアップ。
なんと、システムレベルのパフォーマンスが最大57%も向上し、マルチタスク処理は最大85%も高速化。GPU性能は60%向上とCPU、GPU共に前世代からビックリするくらいの性能向上を実現しました。
Snapdragon 8cx Gen3は省電力性能もアップ。1回の充電で最大25時間以上の使用が可能で、これは現在使われているPCの最大2倍もの持続時間に相当するとのこと。やはりこの辺も5nmプロセスの恩恵といったところでしょうか。
Snapdragon 8cx Gen3は、5GやLTEでも接続可能。Wi-FiもWi-Fi6または6Eをサポートし、状況に応じての接続が可能とのこと。
Snapdragon 8cx Gen3に搭載されるQualcomm FastConnect 6900システムは、Wi-Fi 6Eで接続した場合、最大3.6Gbpsのパフォーマンスを実現すると謳っています。
5G接続に必要なモデムもニーズに応じて組み込み可能。公式サイトによると、選択可能なモデムはSnapdragon X65 5G Modem-RFシステム、Snapdragon X62 5G Modem-RFシステム、Snapdragon X55 5G Modem-RFシステムの3種類のようです。
また、Snapdragon X65 5G Modem-RFシステムの場合は最大10Gbps、Snapdragon X55 5G Modem-RFシステムの場合では最大7.5Gbpsの通信速度が実現可能とあります。この辺はコストや製品コンセプトに応じて柔軟に組み込めるということですね。
Snapdragon 8cx Gen 3は、最大2,400万画素の4K HDRビデオをサポートするクイックスタートアップカメラと、最新の3A(オートフォーカス、オートホワイトバランス、オートエクスポージャー)に対応。
また、Hi-FiオーディオやAI技術を活用したECNS(Echo-cancellation and Noise Suppressionの略称)との組み合わせにより、鮮明でクリアなビデオ会議が実現するとのことです。
Snapdragon 8cx Gen 3にはQualcomm AI Engineも搭載。29TOPS以上とSnapdragon 8cx Gen 2の最大3倍もの処理性能を実現しているとあります。
また、Windows Helloの顔認証と指紋認証によるログイン機能や、TPMを置き換える規格と言われているMicrosoft Plutonにも対応しているので、セキュリティ面でも抜かりなく仕上げていると思われます!
Snapdragon 7c+ Gen 3の特徴
Snapdragon 7c+ Gen 3の特徴は以下の通り!
Snapdragon 7c+ Gen 3のハイライト
- 6nmプロセスで製造
- CPU性能は前世代より最大60%向上、GPU性能は最大70%向上!
- 5Gに対応。モデムにはSnapdragon X53 5G Modem-RFシステムが組み込まれている
Snapdragon 7c+ Gen 3は、6nmプロセスを採用。5nmよりもプロセスは少し大きいものの、現行のミドルレンジ上位クラスのSoCでもよく採用されるので、特別古臭いわけではありません。
Snapdragon 7c+ Gen 3は前世代からCPU性能が最大60%、GPU性能は最大70%ものパワーアップに成功。エントリークラスの競合プロセッサよりも最大30%高いCPUパフォーマンスを実現していると謳っています。
Snapdragon 7c+ Gen 3は最大で数日間のバッテリー駆動が可能になり、そファンレスのノートPCでも長時間のパフォーマンスを維持することができるとのこと。この辺りはArm系のプロセッサの面目躍如といったところでしょうか。
Snapdragon 7c+ Gen 3もSnapdragon 8cx Gen 3と同じように5G接続に対応。
ただし、Snapdragon 7c+ Gen 3は最初からSnapdragon X53 5G Modem-RFシステムが組み込まれているようで、それ以外のモデムには対応してなさそうです。
ちなみにSnapdragon X53 5G Modem-RFシステムの最大下り速度は最大3.7GbpsとSnapdragon 8cx Gen 3に組み込めるモデムより性能は控えめになっているようですね。
Snapdragon 7c+ Gen 3では4K HDRビデオをサポートし、Hi-FiオーディオやAI技術を活用したECNS(Echo-cancellation and Noise Suppressionの略称)との組み合わせにより、鮮明でクリアなビデオ会議が実現するとのことです。
Snapdragon 7c+ Gen 3はQualcomm AI Engineも搭載。処理性能は6.5TOPS以上とエントリークラスでは前例がないとQualcommは語っています。
Snapdragon G3x Gen 1の特徴
Snapdragon G3x Gen 1の特徴は以下の通り!
Snapdragon G3x Gen 1のハイライト
- 携帯ゲーム機用のプロセッサ
- 4K、144Hzに対応
- Android向けゲームの他にPC、コンシューマー向けゲームがストリーミングできる
Snapdragon G3x Gen 1は携帯ゲーム機への搭載を念頭に置いたSoCとSnapdragon 8cx Gen 3やSnapdragon 7c+ Gen 3などとはまた違ったもの。
CPUはKryo、GPUはAdrenoといつものSnapdragonと同じ構成。型番が記載されなくなった関係でどのレンジの物か分からなくなっていますが、ゲーム機への搭載を念頭に置いている点からSnapdragon 8 Gen 1と同じ物ではないかと考えています。
Snapdragon G3x Gen 1は10-bit HDRに対応。外部出力の際には最大で4K解像度、リフレッシュレート144fpsにも対応しているので、ゲーマーにも堪らない仕様に仕上がっています。
また、Snapdragon G3x Gen 1はAndroid向けのゲーム以外にもPCゲームやXbox、PlayStationなどのコンシューマー向けゲームのストリーミングでのプレイにも対応。Snapdragon G3x Gen 1搭載ゲーム機で幅広い種類のゲームが楽しめそうですね!
前世代から大幅性能アップ。性能面での進化が感じられる!
Snapdragon 8cx Gen 3とSnapdragon 7c+ Gen 3は2022年上半期に搭載端末がリリースされるとのこと。
Snapdragon G3x Gen 1はゲーミングアクセサリーメーカーのRazerと協力し、当該SoCを搭載したリファレンス機を用意するともありました。
PC向けのSoCとして用意されたSnapdragon 8cxの初代モデルは2018年にSnapdragon 855と同時に発表されましたが、マイナーチェンジモデルであるSnapdragon 8cx Gen2を挟んではいたものの、大きな変更はないまま3年が経っており、古さは否めない状況でした。
その上、初代Snapdragon 8cxはある意味試作機的な印象もあったため、あまり搭載機種も出ず、アプリの最適化もあまり進んでいない状況とあまり恵まれている状況でも無かったのも3年もそのままだった理由の一つでしょう。
最近はかなりの性能を誇るライバルのAppleのM1が幅を利かせてきているおり、Snapdragon側の新型も望まれていた中での新モデル登場だけに筆者の期待値は高め。
更にゲーム機向けのSnapdragon G3x Gen 1が登場したのは筆者としても意外でした。私自身携帯ゲーム機で遊ぶことも多いので、Snapdragon G3x Gen 1の登場による携帯ゲーム機の復権にも期待したいところ。
今回発表された3種類のSoCはどれも次世代に相応しい進化したもののようですので、早く見たい気持ちでいっぱい。搭載端末の発売が楽しみですね!