「Snapdragon835」はLaptopに対応したことがビックリ
いやー、SoCの進化って速いですよね。
私が以前勤めていた会社ではウェハーのエッチングシステムを担当していたのですが、その時は32nmでみんなヒイヒイ言ってたのに人類って凄い(笑)
QualcommがCES 2017で発表した最新SoC”Snapdragon835”は、現行モデルのSnapdragon820より一世代進んだSoC。
結構大きく変わっているので、これからハイエンド端末を購入する方は820シリーズと835で大きく性能が異なる事を知っておきましょう!
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Snapdragon835は簡単に言うと”ちっちゃくなった”
製造プロセスの基礎として、どれだけ微細に仕上げているのか”nm”という単位で確認できます。
難しい話は置いといて、nmの数値が小さいということは今までよりも”細い溝”が掘れるということで、より小さな面積に回路を敷き詰める事が出来るんですね。(かなり端折って説明してますんであしからず)
同じ物が小さくなると消費電力も下がり、発熱も下がり、また、同じ面積でもより複雑な回路を敷き詰める事が出来るので、頭のぶっ飛んだ偉い人がアレコレ考えて省電力性能を向上しながらも性能向上を果たしています。
現行モデルのSnapdragon820シリーズは14nmで製造されていましたが、今回発表されたSnapdragon835は10nmという製造プロセスで作られており、ガッツリ世代交代したSoCとなります。
Snapdragonの世代を簡単に見分けるには800の下2桁目を見ればオッケー。
800→810→820→83xと数値が大きくなると、基礎性能が大きく向上したと思って大丈夫。
んでんで、820と比較して何が変わったのよ?
Snapdragon820からどの様に進化しているのかチェック!
消費電力が下がり、CPU、GPU共に性能が向上!
まず、小さくなった事で消費電力が25%も下がりました。ちっちゃいと電気もそんなに使わないんですね。
CPU部分に関しては、Snapdragon820に引き続き自社製の「Kryo」を採用しており、Snapdragon835では最新の「Kryo280」が搭載されてます。その性能差は820と比較して20%向上。
あ、そうそう、Snapdragon820では4コアでしたがSnapdragon835ではまた8コアになりました。良くある高パフォーマンス4コア+省電力型4コアという組み合わせで、2.45Ghz×4+1.9Ghz×4の構成となってます。
というわけで組み込まれたプログラムを基に必要なCPUパワーに合わせて、高パフォーマンスのコアと省電力型コアを自動的にサクッと切り替えてくれるBig.LITTLE方式で動きます。
GPUもAdreno 530からAdreno 540へ世代交代されているのでSnapdragon835では820と較べて25%も性能向上を果たしています。
ガッチガチのハイエンドSoCですね!
パッケージサイズもちっちゃくなった。
SoCのパッケージサイズが820と比較して約30%ちっちゃくなりました。
小さくなると、小型な端末に高パフォーマンスSoCを搭載することが可能となります。
今までは発熱や消費電力が高く、パッケージサイズも大きいことから、ウェアラブル製品には”専用”のSoCを搭載することも多かったのですが、物理的なサイズが小さくなったことで低電力&高性能なハイエンドSoCをスマートグラスやスマートウォッチなどに搭載することも可能に。
Snapdragon835は単体でも十分なAR機能が利用可能となったそうなので、スマートグラス市場が盛り上がればいいなぁ。
一番ビックリしたのは”Laptop”に対応した事。
▼今、Qualcommちゃんの公式サイトでSnapdragon835の仕様表を眺めていて気がついたのですが、”Laptops”に対応してる!って一人で最高潮に盛り上がっております。↓
Windows10がSnapdragon向けに調整するそうなので、今後は超薄型&超低消費電力なSnapdragon835搭載ノートパソコンが登場するかも。とか考えていると胸熱。
インテルさんも頑張ってますが、パソコン市場だとインテルが強すぎるのでQualcommが参入して切磋琢磨して頂ければなと思います。
820と835で性能向上したその他の気になるポイントをピックアップ。
性能で気になる項目をピックアップ。
- 4波CAに対応。下り600Mbps→1Gbpsにアップ
- シングルカメラは28MP→32MPにアップ
- 835から16MP×2のデュアルカメラをサポート
- 外部ディスプレイ出力で4K Ultra HDが可能となった。
- IEEE 802.11ad、IEEE 802.11acのMU-MIMO標準搭載
- Quick Charge 4.0対応で3.0比で最大20%充電時間が早くなる
- Bluetooth5.0に対応
- ワイヤレスで高品質な再生を可能とするQualcomm aptXをサポート(aptX Classic/HD)
- DSDネイティブをサポート
色々と変更点が多いので皆さんもどうぞ。
SoCってCPUを含んだ様々な機能をサポートするパッケージだから夢広がるねってお話。
CPUとSoCって良く似ていますが、SoCは情報を処理するCPUやグラフィック処理を担当するGPU、そして様々な機能まとめたパッケージなんで、SoCだけで様々な機能に対応出来るのも素敵です。
かなり雑に説明すると、パソコンってマザーボードの基盤に様々な機能を持ったチップをくっつけて、そこにCPUやメモリなどをぶっ刺して制御することでパソコンとして機能しますが、SoCはCPUなどの各種装置やコントロールする機能を統合しちゃって1つのパッケージ内に詰め込んじゃった感じです。
だからSoCは超省スペース&超低電力&高機能なスペシャルなパッケージなんです。その分、開発も難しくコストも高いみたいですけど。
これから様々な製品でQualcomm搭載端末が登場しそうです。
ぶっちゃけ、最近のSoCはスマートフォン用として考えるとオーバースペック。
先ほど、Laptopに対応している!と興奮していましたが、Snapdragonがノートパソコンなどに搭載されれば超省スペースで様々な機能が賄えるので、省スペースになった分、より大容量なバッテリーも搭載出来ますし、SoC自体も消費電力が少ないので飛躍的に駆動時間が伸びるかも。
SIMスロットつけりゃ、簡単にモバイル通信も可能なノートパソコンも作れますし、高性能なカメラを搭載して制御する事も容易です。そんな感じでSoCは柔軟性が高いのでワクワクしちゃいます。
これからはモバイル向けOSが搭載されたスマートフォンやタブレット、ウェアラブル製品以外でもWindows10などのOSに対応した製品がビシバシ出そうなので、2017年もガジェットで盛り上がる事が出来そうですね!
2017年前半にはSnapdragon835を搭載した端末が続々登場する予定なので、楽しみに待ちましょう!