arrows NX9(F-52A)のレビュー。富士通のミドルハイモデルは出来が良かった
ドコモが2020年12月18日に投入した「arrows NX9 F-52A」は、ハイエンドに次ぐ性能を持つ5Gスマートフォン。実機を手に入れたのでレビューをお届けします。
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arrows NX9の良かった点と注意点
富士通はハイエンドのarrows 5Gを投入しているが、arrows NX9はハイエンドに次ぐ性能帯のモデル。5Gに対応しているので長期的に利用できる点も魅力。価格は76,032円。
良かった点
・スタイリッシュなデザインで超軽量
・メインカメラの画質
・快適に使えるパフォーマンス
・実はとてもタフでハンドソープでも洗える
注意点
・ワイヤレス充電非対応
・超広角カメラの画質がイマイチ
arrows NX9の詳細スペックや特徴は以下で紹介しています。
arrows NX9の外観
▼arrows NX9は6.3型のディスプレイを備え横幅は72mm。手の小さな筆者は片手操作が難しいサイズ感。↓
▼片手での操作感を向上するならバンカーリングなどのアクセサリーも検討しよう。↓
▼角張ったデザインだが側面や角は丸みを帯びた形状で、思っていたよりも手当たりが良かった。↓
▼iPhone 12 Proと比較すると縦にやや長い形状。サイズ感が気になる方はショップで実機を触って確かめて頂きたい。↓
▼ディスプレイ形状はパンチホール型。arrows 5Gはパンチホールの直径が非常に大きかったが、arrows NX9は一般的なサイズとなった。↓
▼背面パネルは光沢あるタイプ。光の当たる角度で表情が変わり美しい。↓
▼重量も実測で163gと軽量。筺体サイズが大きめなので見た目と重量感のギャップが大きく手に取ると非常に軽くて驚いた。↓
▼カメラの出っ張りは少ない。↓
▼右側面に音量と電源ボタンが備わっているが、一般的なスマホより低い位置に搭載されている。操作感は良好だがカーホルダーのストッパーに干渉することがあるので注意。↓
▼上部にはSIMスロットを搭載↓
▼下部はイヤホンジャック、USB-C、スピーカーが備わっている。↓
付属品・同梱物
arrows NX9だからという訳ではないが、キャリアで販売するモデルは付属品が非常にシンプルである。arrows NX9も本体とSIMピン、クイックガイドのみ同梱されており充電器や充電ケーブルが付属しないのでご留意を。
▼保護フィルムはガルマックスでレビューしている実機を用いて寸法を測定したフィルムがPDA工房さんからリリース済み。arrows NX9のディスプレイは湾曲しているので端までカバーできる「Flexible Shield」がオススメ。↓
500円以上のご購入時に適用すると100円オフ!
▼YouTubeではテンポ良く見られる凝縮レビューも公開中。質感・カラー・雰囲気は実機動画でチェック↓
arrows NX9の処理性能
arrows NX9は処理性能を左右するパーツにQualcommのSnapdragon 765Gを搭載。ランク的にはハイエンドに次ぐ性能帯である。メモリは8GB、ストレージは128GBと十分な容量を搭載している。
普段使いでは軽快に動きストレスを感じることはなかった。またグラフィックの綺麗なゲームも設定次第で快適に遊べるタイトルが多く動作に対して不満を感じることはなかった。
ベンチマークスコアをチェック
端末の処理性能を数値化するベンチマークを走らせてみた。
▼arrows NX9のAnTuTu(Ver8)総合スコアは320,280点、GPUスコアは93,750点。同様のSoCを搭載するモデルと比較しても同等ほどのスコアを叩き出した。↓
▼以下は現在市場で主流となっている各性能帯の参考スコアです。現時点で本端末の性能がどのランクに相当するか確認が出来ます!↓
AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
▼その他、Geekbench 5、PCMark、3DMarkでのスコアは以下の通り。↓
▼ストレージ速度は読み込みが938.4MB/s、書き込みが473.5MB/s。読み込み速度がそこそこ速い。↓
arrows NX9の機能・仕様の検証結果
通知ランプ | ☓ |
指紋認証 | ○:画面内蔵。精度は申し分なし |
顔認証 | ☓ |
アプリクローン | ☓ |
PCモード | ☓ |
外部映像出力 | ○:HDMI→USB-Cで検証 |
戻るボタン入れ替え | ☓:デフォルトは左 |
ジェスチャー操作 | ○ |
クイックランチャー | ○:スライドイン機能 |
ゲームモード | ○:パフォーマンスが上がるタイプではない |
冷却システム | ○ |
MicroSD 内部ストレージ化 |
☓:外部ストレージのみ使える |
Photoshop Camera | ○ |
PUBGモバイル グラフィック設定 フレームレート設定 |
スムーズ設定時→スムーズ+ウルトラ 最高クオリティ&フレーム設定→HD+高 |
スピーカー | ステレオ |
イコライザー | ○:Dolby atmos |
備考 | ハイレゾ対応 |
ソフトウェア・ハードウェアの特徴
便利機能がホントに便利
▼arrows NX9は様々な便利機能を搭載する。↓
この中でも筆者が愛用している機能が「スライドイン機能」「FASTフィンガーランチャー」「なぞってコピー」である。
▼スライドイン機能は、ディスプレイの端からスワイプすることで展開するランチャー。↓
スライドイン機能は左右上部に設置可能で、展開すると円形状のランチャーが起動する。頻繁に利用する機能やアプリを登録すると素早くアクセスできるので重宝している。
とても便利に利用できているが、強いて言えばランチャーは左右の固定された位置しか配置出来ないので、上下調整がもう少し柔軟であればよかった。
▼続いてはFASTフィンガーランチャー。指紋認証で素早くアプリを起動出来るランチャーである。↓
FASTフィンガーランチャーの良い点は、スリープ状態から一発でアプリを起動できることだ。
例えば、左人差し指の指紋にキャッシュレス決済アプリを指定しておくと、スリープ状態から指紋認証を左人差し指で行えば、スリープ復帰→指紋認証でのロック解除→指定したアプリ起動まで行える。
コンビニでの支払い時もスッとarrows NX9を取り出してパッとキャッシュレス決済アプリを起動できとてもスマートな使い心地だった。
▼最後は「なぞってコピー」である。この機能は画像に埋め込まれた文字がコピーできる。↓
なぞってコピーは前述したスライドイン機能に登録されている。起動すると表示していた画面が縮小表示され、テキスト部分を指でなぞるだけで抽出でき使い方も非常に簡単だ。
筆者はカメラで撮影した写真に映っている文字情報を抽出するときに重宝している。例えば、記録するために撮影した電話番号や住所は写真を見ながら手打ちすると非常に時間がかかるが、なぞってコピーならあっという間に文字をコピーできるのである。
ここまで紹介した機能はarrows NX9だけというわけではないが、富士通スマホは本当に便利な機能を搭載しているので、arrows NX9を手に入れたら是非使って頂きたい。
実はとてもタフなスマートフォン
arrows NX9はとてもスマートなスマートフォンだが、防水防塵はもちろんMIL規格準拠の非常にタフな仕様である。富士通はこれまでもスタイリッシュながら屈強なモデルを沢山リリースしており富士通らしさが光る部分だ。
▼さらにarrows NX9はハンドソープで丸洗いでき常に清潔に保てる点もコロナ禍の今はキラッと光る利点である。↓
MicroSDスロットは本体に埋め込まれている
多くのスマートフォンはSIMトレイにMicroSDを挿入できるようになっているが、arrows NX9は本体にスロットが埋め込まれている。
▼SIMトレイを引き抜いた本体側にMicroSDスロットが備わっているのでご留意を↓
ディスプレイ:有機EL搭載で実用十分な仕様
arrows NX9のディスプレイは高級テレビでも採用されている有機EL方式のパネルを搭載。背面からバックライトで照らす液晶とは異なり、ドット自体が発光するので黒色=消灯となり真の黒色を表現できる。
▼グッと引き締まった黒色と色鮮やかな発色で非常に美しい。↓
また、Netflixなどデジタル著作権に該当する映像もWidevine L1に対応しており、arrows NX9の解像度に近いFHDクラスで再生できるのも嬉しい。映画コンテンツをスマホで良く視聴される方にもオススメできる仕様である。
DRMコンテンツ | Widevine:L1 FHDまで対応/HDRなし |
高リフレッシュレート | ☓ |
表示モード | ダークモード、ブルーライトカット、はっきり文字 |
画質調整 | 「カラー」からナチュラル、ブースト、自動調整を選択可能 |
備考 |
サウンド:ステレオだがバランスがイマイチ
arrows NX9はステレオスピーカーを搭載しており、この点に関してはモノラルより断然音の広がりと臨場感が向上しているのでステレオスピーカーを搭載したことに対しては評価できるが、バランスはイマイチに感じた。
▼受話側のスピーカーは音量も小さく音質もチープ。↓
ステレオスピーカーを搭載するiPhone 12 Proと音質を比較すると、明らかに音のバランスが悪い。受話口側を左にして横持ちで聴くと、音量の大きい右側に音が偏る。
YouTubeくらいなら気にならないが、横持ちで映画を視聴するときに筆者は音のバランスが気になってしまったので共有しておきたい。
なお、arrows NX9はイヤホンジャックを搭載しているので、気軽にイヤホンやヘッドホンを利用できるのは利点である。また、Dolby Atmosやハイレゾに対応しているので、サウンド関連の仕様は魅力の多いモデルである。
通信・SIM周り:SIMピンを深く挿すと破損するので注意
SIMトレイはキャリアモデルらしくシングルタイプ。注意点はSIMトレイの取り出し時にSIMピンを深く差し込みすぎると破損することだ。
▼SIMピンを挿してもあまりトレイが飛び出さない。おかしいと思って更に深く挿すと破損する。↓
▼これはドコモでも注意喚起されているので扱いは十分注意して欲しい。↓
対応バンドはドコモの公式で確認する限り、重要なバンドはドコモ回線のみ対応しており、ドコモ系の格安SIMも利用可能である。
SIMロック解除して他社回線で利用する場合、ドコモ以外の回線で重要なバンドに対応していないので、電波強度が弱くなったり圏外率が高くなる恐れがある点は注意が必要だ。
SIMロック解除でSIMフリー化=どこのキャリアでも快適に利用できるというわけでは無いので留意頂きたい。
その他、arrows NX9は5Gにも対応している。
arrows NX9のカメラをレビュー
構成 | 48.5MP(メイン)、8MP(超広角)、5MP(ポートレート) |
AI | オン・オフ可能 |
撮影モード | 写真、ビデオ、Photoshop Expressモード、ポートレート、ワイプ撮影、Live Auto Zoom、AIスロモ、マニュアル、ARサイズチェッカー |
ズーム | 最大8倍のデジタルズームに対応。ワンタップで倍率変更はできない |
シャッター音の消音 | 不可 |
マニュアルの設定幅 | ISO:100〜3200、WB:晴天・曇り・蛍光灯・電球、SS:1/2〜1/4000、露出:-2〜+2 |
写真解像度 | 最大48MP |
ビデオ解像度 | 4K、FHD、HD |
手ブレ補正 | 全ての解像度で利用可能 |
画質:メインカメラで撮影することが多いなら満足度が高い
arrows NX9は通常カメラと超広角カメラを搭載しており画角の異なる写真を撮影できるが、超広角のカメラは画質がイマイチに感じることが多かった。
一方でメインカメラは昼夜問わず綺麗に感じる写真に仕上がることが多かったので、メインカメラでの撮影が多い方にオススメしたい。
▼AIはオン・オフ可能だが、映える写真はオンが撮影しやすい。筆者は常にオンで撮影している。左がAIオン、右がAIオフ。↓
▼HDRオン・オフでも撮影。オンは明暗差が調整され写真クオリティがわずかだが向上した。左がAI(HDR)オン、右がAIオフ↓
Photoshop Expressモードは試す価値あり
arrows NX9はPhotoshop Expressモードを搭載。このモードで撮影すると通常の写真と画質調整された写真の2枚が閲覧できるようになる。
▼Photoshop Expressモードを利用して以下の風景を撮影するとやや青色が増して空の色も鮮やかになり、個人的に美しく感じる仕上がりとなった。左がオフ、右がオン。↓
Photoshop Expressモードでは様々な撮影シーンで写真を加工してくれる。arrows NX9のAIチューニングとはまた異なった写真に仕上がるので、是非手に入れたら試していただきたい。
昼間に撮影した屋外写真:美しい写真が撮影しやすい
カメラにとって好条件となる晴天時の屋外撮影ではラフに撮影しても美しい写真に仕上がることが多かった。様々な被写体を撮影したが実用十分以上で筆者は画質に満足している。
▼左がarrows NX9、右がiPhone 12 Pro Max。↓
▼一方で、最大解像度で撮影できる48MPモードでは色味がおかしくなることがあった。もちろん、見た目に近い色味で撮影できる場合もあるが、稀にこのような写真が出てくる場合があるので皆さんに共有しておく。↓
▼解像感は十分で写真を拡大して細部を見るような楽しみ方もできる。48MPでの高解像度撮影の楽しみ方はできるので、撮影する時は色味がおかしくないか撮影後にチェックしながら撮影に挑んで頂きたい。↓
超広角カメラ:明暗差の調整とピント調整が苦手
超広角カメラは通常カメラよりも広い範囲を撮影出来るのでダイナミックな写真や狭い場所での撮影に重宝するカメラだ。
arrows NX9のメインカメラは満足度の高い出来栄えだったが、超広角カメラは明暗差の調整が甘くピントも合いづらい。価格帯を考えるとやや残念な仕上がりだった。
▼右側の建物側面が白飛び。またピントも合っていない。左がarrows NX9、右がiPhone 12 Pro Max。↓
後ほど夜景撮影でも超広角カメラでの写真を紹介するが、昼夜問わずクオリティはそれほど高くなかったので留意いただきたい。
ポートレート:人物だけでなく物撮りも非常に撮影しやすい
arrows NX9は背景をボカして被写体を際立たせるポートレートモードに対応。美しい背景ボケをサポートする専用カメラも搭載している。
撮影時に10段階のボケ強度を調整可能で実機での撮影では人物だけでなく物撮りもハイクオリティなポートレート撮影を楽しめた。
▼20cmほどのフィギュアにこれだけ近づいてポートレート撮影を楽しめた。ピント合わせも速く気軽に撮影出来る仕上がりで気に入っている。↓
ナイトモード・夜景撮影:メインカメラでの撮影がおすすめ
arrows NX9は任意に設定できるナイトモードは搭載されていないが、AIが自動で「夜景」「花火」「イルミ」を認識してくれる。
▼以下は手持ちで撮影した写真だが綺麗な夜景を撮影することができた。↓
▼いつもの定点場所で三脚を利用して撮影。メインカメラでは明暗差の調整もしっかり出来ており満足度の高い写真に仕上がった。左がarrows NX9、右がiPhone 12 Pro Max。↓
▼一方、超広角カメラでは黒つぶれ、光る看板の白飛びが目立ち夜間撮影が苦手である。左がarrows NX9、右がiPhone 12 Pro Max。↓
さらに光量の少ないシーンでも撮影。arrows NX9はメインカメラでの夜景撮影は、ある程度の光量あるシーン向きで光量の非常に少ない場所だと写真が暗くなってしまう。
▼arrows NX9で夜景を撮影するならある程度光量のあるシーンでの撮影がオススメ。光量が少ないと一気に画質が低下する。左がarrows NX9、右がiPhone 12 Pro Max。↓
自撮り:高画質。ポートレートもクオリティが高い
arrows NX9は1,630万画素のインカメラを搭載。自撮りからポートレート撮影まで美しく撮影出来る点が良かった。
▼画角はそれほど広くないが画質は良い。↓
▼ポートレートはやや背景との切り離しで甘い部分もあるが、スマホでの自撮りポートレートなら十分以上のクオリティである。↓
動画撮影時の手ブレ補正:歩き撮影もできるがフレームレートが低い
arrows NX9は最大4K解像度まで動画撮影が可能で全ての解像度で手ブレ補正が利用できる。
▼やや映像がチラつく場合もあるが、手ブレ補正は強力な部類で歩き撮影でも活用できる仕上がり。以下は1080Pで撮影した映像。↓
手ブレ補正は強力で扱いやすいが、フレームレートは30FPSが上限である。また、手ブレ補正をオフにしても1080Pは30FPSで記録されているので、60FPSの滑らかな映像をFHDクラスで撮影したい方は注意。
arrows NX9の実機レビューまとめ
富士通のハイエンドスマートフォン「arrows 5G」の仕上がりに落胆していたが、ミドルハイの性能帯であるarrows NX9は仕上がりもよく満足度の高いモデルだった。
- ハイエンドは必要ないが長期的に利用したいので性能高めのモデルが欲しい
- 5Gも利用したい
- 国内企業のスマートフォンが欲しい
- メインカメラで写真を撮影することが多い
こんな方は長期的に愛用できる仕上がりだったので是非検討頂きたい。
■通信キャリア(MNO)■
arrows NX9の口コミ・評判
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端末名:arrows NX9
#ガルマックスユーザレビュー
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