2022年11月に登場したハイエンドのSoC「Snapdragon 8 Gen 2」のスペック、実機での処理性能とゲーム性能、実際の動きをチェックしてみました。
なお、本記事で紹介する内容は「目安」です。スマートフォンやタブレットはSoC以外に画面の解像度、メモリ搭載量、ストレージの速度などで動作が変わってきます。
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Snapdragon 8 Gen 2のCPUとGPUのスペック
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 |
CPU | Cortex-X1 ×1 Cortex-A715 ×2 Cortex-A710 ×2 Cortex-A510 ×3 |
CPU周波数 | 3.2GHz |
GPU | Adreno 740 |
GPU周波数 | – |
Snapdragon 8 Gen 2の処理性能
▼Snapdragonは大きく4つの性能帯に分かれています。Snapdragon 8 Gen 2は最上位クラスのハイエンド帯SoCです。↓
本記事で使用する製品は以下。
Snapdragon 8 Gen 2の実機AnTuTuスコア
端末の性能を数値化するAnTuTuベンチマークで実機測定してみましょう。
▼Snapdragon 8 Gen 2の実機AnTuTuのスコアは総合スコアが1,601,782点、GPUスコアは608,962点、UXは287,716点となっていました。↓
Snapdragon 8 Gen 2は2022年末ごろに発表されたフラッグシップハイエンドSoCで、2023年にリリースされた各社のフラッグシップモデルに数多く採用されているSoCです。
ハイエンド帯のSoCは総合的な性能が高いだけでなく、ゲーム性能を左右するGPUやカメラ画質に関わるISP(イメージシグナルプロセサー)のランクもハイエンドクラスとなります。
またSnapdragon 8 Gen 2はハイエンド帯でもフラッグシップのSoCで、様々な仕様が非常にリッチに仕上げられているのも特徴です。
2024年時点は次期モデルとなるSnapdragon 8 Gen 3もリリースされていますが、Snapdragon 8 Gen 2は基本性能が非常に高く、2024年時点ではPOCO F6 Proなど価格を抑えたハイエンドスマホなどで採用されています。
Snapdragon 8 Gen 2はハイエンド帯でもフラッグシップのSoCです。非常に高い性能を持ち合わせているので日常使いだけではなくゲームも非常に快適にプレイできる性能です。
▼以下は2024年現在、AnTuTuベンチマークスコアがどれくらいの動作・操作感を示すかの目安です。本端末の性能がどの性能帯に相当するか確認が出来ます。↓AnTuTuスコア | 動作・操作感 |
---|---|
総合スコア:約150万点以上 GPUスコア:約60万点以上 | ヌルヌル、動作に不満なし |
総合スコア:約100万点〜150万点 GPUスコア:約35万点〜60万点 | 重いゲームもなんとか |
総合スコア:約50万点〜100万点 GPUスコア:約15万点〜35万点 | 軽いゲームくらいなら |
総合スコア:約25万点〜50万点 GPUスコア:約5万点〜15万点 | 必要最低限 |
総合スコア:約25万点以下 GPUスコア:約5万点以下 | サブ端末向き |
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ
Snapdragon 8 Gen 2のゲーム以外の動き
Snapdragon 8 Gen 2を搭載するスマートフォンでゲーム以外の動きをチェックしてみます。
▼WEB閲覧(Yahoo!ニュース)、動画視聴(YouTube)、SNS(Twitter)の動作はこんな感じでした。動作は許容範囲でしょうか。↓
上記のような日常的な使い方ではまず不満はでません。ハイエンド帯SoCを搭載するモデルはメモリやストレージも高速なパーツが使われる傾向ですので、SoCの処理速度の速さに加えメモリやストレージの速度も相まりハイエンドらしいキビキビ・サクサクとした使い心地です。
Snapdragon 8 Gen 2は性能が高く長期的に快適な動作が見込めるので、スマホをを買ったら長く使う、という人にもオススメなSoCです。
Snapdragon 8 Gen 2のゲーム性能
ライトな使い方は先程検証しましたが、次はゲームを試してみます。検証では重量級ゲームの代表格である原神を使います。
▼グラフィックのデフォルト設定は「中」となっていた。↓
検証では画質を「中」、フレームレートを60に設定してマップの3箇所をワープ後に4キャラ分の元素爆発を連続発動した際の高負荷状態で下限フレームレートを測定するのですが、今回は性能が非常に高いので画質を「最高」にして行います。
なお検証結果により他ゲームでの大体の動作目安も分かります。
- 下限30FPS未満は画質やフレームレートを妥協する必要があったり、それらを妥協しても遊べないゲームが出てくる。
- 下限30FPS以上が出ていれば大多数のゲームは遊べるレベルで動作する。画質を妥協することで大多数のゲームは快適に動作する。
- 下限FPSが60FPSに近づくほど画質と高フレームレートを維持しやすくなる。また下限50FPSを超えるとと大多数のゲームは快適レベルで動作する。
▼原神での高負荷時下限フレームレートは55FPSとなりました。↓
原神で画質「最高」で高負荷時に50FPSを大きく超えるフレームレートを維持できるので、多くのゲームは非常に快適なプレイが可能です。ゲーム性能が高いので画質を上げつつ滑らかさを求めることも可能です。
Snapdragon 8 Gen 2はハイエンドSoCらしいパワフルなゲーム性能を持ち合わせているのでゲームを沢山プレイする人にもピッタリなSoCです。
Snapdragon 8 Gen 2の動作目安まとめ
Snapdragon 8 Gen 2はハイエンド帯のなかでもフラッグシップのSoCです。性能も仕様も非常にリッチなので長期的な利用でも快適度を維持できます。
この記事を公開した2024年5月時点では1世代型落ちのSoCとなりますが、一般的な使い方ではオーバースペックな域に達しており、ベンチマークスコアを眺めて楽しむ用途以外の使い方だとまず不満がでることは無いです。
2024年5月時点ではSnapdragon 8 Gen 2を搭載する新スマホも登場しており、価格を抑えたハイエンドスマホとして非常に注目されています。
Snapdragon 8 Gen 2だけでなく、今後は1世代古いフラッグシップハイエンドSoCを搭載して価格を抑えたスマートフォンが出てくるはずですが、そういったスマートフォンも今後人気が高くなりそうです。
ハイエンドSoCは時間が経っても高い性能を持っていることには変わらないので、記事執筆時点の2024年5月時点でも非常にパワフルなSoCです。
Snapdragon 8 Gen 2搭載製品の一覧
Snapdragon 8 Gen 2を搭載する製品は以下です。