T-bao TBOOK MN35のレビュー!Ryzen 5 3550Hの実力をベンチマークでチェック
T-baoから新型ミニPCのMN35が登場!Banggoodさんに実機を提供頂いたのでレビューをお届けいたします!ノート向けでも特にパワフルなRyzen 5 3550Hを搭載したミニPCの魅力を確認していきます!
なお、T-bao TBOOK MN35はメモリとストレージ搭載量で複数モデルが展開されていますが、本記事では下位グレードのメモリ8GB/ストレージ256GB SSD/627.99ドル(執筆時)のモデルです!
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T-bao TBOOK MN35の良かった点とイマイチだった点
比較的お手頃な価格で手に入るパワフルなミニPC。豊富なポート類や内蔵ストレージが増設可能な点が魅力的。
良かった点
・ゲーミングノートPCで採用されているRyzen 5 3550Hを搭載している
・最初からOSが導入されていてすぐに使い始められる
・豊富な外部端子
イマイチだった点
・Windowsが英語設定のため言語パックのインストールが必要なこと
・意図がよくわからないパーティションの分け方
T-bao TBOOK MN35の詳細スペック
▼以下にT-bao TBOOK MN35の詳細スペックを記載しています。↓
製品情報 | |
---|---|
端末名 | T-bao TBOOK MN35 |
発売年 | 2020年11月 |
メーカー・ブランド | T-bao |
対応バンド・周波数・ネットワーク | |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.1 |
本体仕様 | |
サイズ | 高さ:127.6mm 横幅:127.6mm 厚さ:38.3mm |
重さ | 1200g |
本体色 | ブラック系 |
システム仕様 | |
OS | Windows 10 |
CPU(SoC) | Ryzen 5 3550H |
メモリ/保存容量 | |
組み合わせ | メモリ8GB+容量256GB メモリ16GB+容量512GB |
カメラ | |
背面カメラ | - |
機能仕様 | |
生体認証・ロック解除 | 指紋認証:対応 非対応 非公表● 顔認証:対応 非対応 非公表 |
防水/防塵・タフネス等級 | 非対応 |
イヤホンジャック | あり |
バッテリー | |
ポート | 端子 ・USB-A(3.0)×3 ・USB-A(2.0)×2 ・USB-C×1 ・LAN×1(1000M) ・HDMI×1 ・DisplayPort×1 ・audio×1 ・マイク×1 |
スペック表のソース | |
参照元 | 【販売店】Banggood |
T-bao TBOOK MN35の外観:MNシリーズ共通のデザイン
▼T-bao TBOOK MN35のボディはこんな感じ。MNシリーズではお馴染みのブラックボディにダイヤモンドカットが輝いています。↓
▼前面と背面には端子類がズラッと並んでいます。ポート類は非常に充実してますね。↓
▼筐体のデザインと端子類が全く同じなT-bao MN27もガルマックスでレビューしています。細部のデザインの紹介と分解もしているので、パーツの交換を考えている方もチェックしてみて下さい!↓
付属品・同梱物は最低限。SATAケーブルがついているのが特徴的!
▼付属品は以前レビューしたMN27と同じく本体以外にACアダプターとマニュアル、SATA接続用のケーブルが付属しています。↓
▼ACアダプターも同じく65W(19V×3.42A)出力のもので、大きさはノートPCのACアダプターと同じくらい。通電時は赤いランプが点灯するので一目で分かるようになっています。↓
▼SATAケーブルはT-bao MN27と同じくフレキケーブルで直接SATA端子へ接続するタイプ。通常のケーブルと比べるとデリケートですので、扱いには注意しましょう!↓
T-bao TBOOK MN35のWindowsが英語。日本語に変更しよう!
早速電源を入れてみると、初期設定画面ではなく既に初期設定が完了していました。まっさらな状態で使いたい方は起動後に初期化しましょう!
また、MNシリーズでは定番になっちゃっているんですが、Windowsの言語は英語。日本語で使うには以下の言語パックを適用させる手順が有効になります!
▼Windowsの日本語言語パックのダウンロードや適用方法は以下の記事で書いてるので参考にしてみて下さい!↓
謎のパーティション分割!
T-bao TBOOK MN35は以前レビューしたT-bao MN27のようにパーティションの分け方が変という謎な部分が同じように存在します。
▼今回レビューしているのは256GBモデルなんですが、なぜかパーティションが最初から3つに分割済みの状態。そんなもんだからCドライブ以外のパーティションは60GB以下になっちゃってます。かなり少ないので使い道に困っちゃいます…↓
まだ2つに分割されているなら分かるんですが、なぜか3等分。しかも各ボリュームの容量はバラバラ。せめてキレイにまとめてくれよ!
3分割状態が気になる方は使い始める前にパーティション整理をした方がいいかもしれません!てか、今回みたいな場合はパーティションを結合することをオススメします。
T-bao TBOOK MN35の性能ってどんな感じ?
T-bao TBOOK MN35はモバイル向けの高性能版であるRyzen 5 3550Hを搭載。アーキテクチャはZen+世代と少し古めですが、ゲーミングノートPCで採用されるようなパワフルな性能がウリです。
▼ちなみにWindows 10のシステム情報はこんな感じ。↓
ベンチマークで性能をチェック!
端末の性能を数値化するベンチマークでT-bao TBOOK MN35の実機を用いてテストしていきます。T-bao TBOOK MN35がどのくらいの性能なのかチェックしてみましょう。
▼まずは総合的な性能が図れる定番ベンチマークソフトのPCMark 10で性能を測定しました!スコアは4038でしたので、以前レビューしたT-bao MN27よりも性能が高くMinisforum X400より性能が低い中間に位置する性能と見ていいかと思います!↓
▼同じく有名なベンチマークソフトであるPassMarkでも計測しました!↓
▼レンダリング性能が測定できるCINEBENCHでも計測。今回からは2020年11月から配信されたバージョン23で計測します。スコアは画像の通りでした!↓
▼スマホでもお馴染みのGeekbench 5でも計測。まずはCPUベンチマークをテスト。↓
目安までにどれほどの位置付けかチェックできるGeekbench Browserでチェックしてみました。
▼シングルコアは2017年のモバイル向け高性能CPUであるCore i5-7440HQや2017年のデスクトップ向けCPUであるRyzen 7 PRO 1700Xと同等の性能のようでした。↓
▼マルチコアは2012年のエンタープライズ向けCPUのXeon E5-2430、2010年のデスクトップ向けCPUのCore i7-970と同等の性能のようです。↓
▼GPU性能もチェックできるGeekbench 5のOpenCLやVulkanもテスト。↓
目安までにどれほどの位置付けかチェックできるGeekbench Browserでチェックしてみました。
▼OpenCL性能は2012年のハイエンドクラスGPUであったGeForce GTX 680に少し劣る程度。↓
▼Vulkan性能は2017年のエントリークラスGPUであったGeForce GT 1030と同等の性能でした。↓
流石に世代の新しいデスクトップ向けCPUであるRyzen 5 PRO 4650Gを搭載したMinisforum X400よりも性能では劣るのですが、ノート向け省電力CPUのRyzen 7 2700Uを搭載したT-bao MN27からは順当に進化しています。
Geekbenchの結果ではありますが、高性能とはいえノート向けCPUであるRyzen 5 3550Hが2012年のデスクトップ向けCPUやGPUと同等、あるいは上回るほどの性能を有しているのは時代の流れを感じますね。
内蔵されているSSDをチェック!
▼CrystaDiskInfoにて内蔵のSSDの情報をチェック。内蔵されているSSDはMN27と同じSSDであるASint AS806のようですね。仕様も同じくNVMeです!↓
▼MN27のレビューでも記載しましたが、中国をメインでSSDなどのストレージやメモリを発売しているメーカーのようです。Aliexpressでも販売しているみたいですね。↓
▼ストレージ速度の測定でよく用いられるCrystalDiskMarkで内蔵ストレージ速度を測定。↓
以前レビューしたMN27で搭載されていたSSDより容量が半減しているので、書き込み速度は劣ってしまいますが、体感上では問題なく快適。実使用でも不満は感じませんでした!
▼複数のファイル容量の読み込み、書き込み速度を一括でテストして、SSDの性能の傾向を示してくれるATTO Disk Benchmarkで検証してみました。↓
ただ、8MBを超えたあたりから読み込み性能が少し落ちているのが気になるところ。
以上の結果より、T-bao TBOOK MN35は執筆段階ではミドルレンジ上位の性能です。ネット閲覧や文書作成だけでなく、後述するようにゲームでも設定を工夫すれば十分に遊べる性能と言えるでしょう。
ゲームも設定を工夫すれば遊べる!
Ryzen 5 3550Hはモバイル向けのCPUでは処理性能が高く、内蔵グラフィックとしてハイスペックなRadeon Vega 8 Graphicsもついてきます。
Radeon Vega 8 Graphicsは内蔵グラフィックとしてよく採用されているIntel UHD Graphics 620よりもダンゼン高性能ですので、内蔵グラフィックでどこまでゲームが動くのかチェックしていきます!
FINAL FANTASY XV ベンチマーク
まずは「FINAL FANTASY XV ベンチマーク」でゲームの動作をチェックしていきます!
▼ベンチマークスコアの表を併せて記載しておきますので、測定スコアがどの程度の位置付けなのか参考にしてください。↓
▼1,280×720の軽量設定で測定。結果は「重い」となりました。ただ、テスト中は常時紙芝居ではなく、ある程度はきちんと動いていました。とはいっても快適な動作は厳しそうですね。↓
▼次に1,920×1,080の軽量設定で測定しました。解像度をFHDへ変更し負荷がかかり、結果は「動作困難」とかなり厳しい結果になりました。テスト中もカクカクでまともに遊べそうな感じではなさそうでした。↓
Apex Legends
Apex Legendsは2019年から配信開始されているバトルロイヤルゲームで日本ではかなり人気のFPS。比較的新しいバトロワゲームだけあり、負荷も相応にかかるゲームになっています。
▼最初に解像度1,920×1,080のデフォルト設定で動作テスト。やはり動作はカクカクでマトモに動いてない状態でした。↓
▼解像度1,280×720のデフォルトで動作テスト。1,920×1,080のデフォルトよりはマシですが、カクつきがたびたび発生しているのは変わらず。↓
▼解像度1,280×720で解像度適応の目標FPSを最大にしてようやく遊べるレベルになりました。↓
GRID Autosports
2014年にPS3/Xbox 360にて発売されたゲームであるGRID AutosportsのPC版をプレイ。発売時期的にはPS3からPS4への移行期のゲームです。このゲームにもベンチマークテストが用意されていたので測定してみました。
▼まずは手始めに最低画質のウルトラ・ローでテスト。平均FPSは135.47と余裕の60PFS越え。画質こそ少し劣るものの、動きはかなり軽快で不満の無い動きでした!↓
▼続いて画質を真ん中のミディアムにしてテスト。平均FPSは63.43と60FPSはクリア。動作も悪くないんで、画質と動作の快適さを両立させたいならミディアムでいいんじゃないかと思います。↓
▼最後に画質を最高のウルトラにしてテスト。画質がかなりリアルになった分の負荷で平均FPSは24.74とガクンと低下。動作もとりあえず動いているレベルで快適とは言い難かったです。↓
最低画質のウルトラ・ローの動作はかなり快適でした。反対に最高画質のウルトラでは少しカクツキが感じられ、遊べはしますが快適とは言い難い動作でした。とはいっても紙芝居レベルまで酷くはなく我慢すれば遊べるかなって程度。
中画質のミディアムは前述のように画質と動作の快適さが両立できているのでいい感じ。画質も元のPS3版よりもキレイな上、動作も快適でいい感じでした!
Burnout Paradise Remastered
Burnout Paradiseは破壊を主軸に置いたオープンワールドのカーアクションゲーム。2008年にオリジナル版が発売された10年後の2018年にリマスター版が発売されました。
今回はオリジナル版からテクスチャや光源など画質が向上したリマスター版をプレイしてみました。
▼設定は全て「高」で街中をクルージング。60FPSのようなヌルヌルと快適な動作ではありましたが、プレイには支障がないレベル。心置きなく破壊を楽しめます。↓
▼設定を「低」に下げたところ、かなりヌルヌルとした動作になりました。画質もあまり下がったように感じませんでしたので、T-bao TBOOK MN35で遊ぶならグラフィック設定は「低」で遊んだ方が快適だと思います!↓
VA11-Hall-A
▼昔のアドベンチャーゲームを意識したデザインが特徴のVA11-Hall-A(ヴァルハラ)をプレイ。VA11-Hall-A(ヴァルハラ)自体が軽量級のゲームだけあり、超快適に遊ぶことができました!↓
ゲームの動作まとめ:3Dゲームは設定次第で遊べるかも
以上より、T-bao TBOOK MN35に搭載されているRyzen 5 3550Hは新しめの3Dゲームを遊ぶには力不足ですが、少し古めのゲームは設定次第で快適に遊べると言えそうです。バトロワ系ならグラフィックを落としてかろうじて遊べるゲームがあるかもってレベルかな?
AMDは内蔵グラフィックスではかなりハイスペックなのもウリの一つ。Ryzen 5 3550Hはモバイル向けとはいえ高性能版だけあり、コンパクトなミニPCではかなりいい感じのスペックでした!
T-bao TBOOK MN35の実機レビューまとめ
T-bao TBOOK MN35はMNシリーズらしくコンパクトなボディをまといつつ、外部端子の豊富さに増設や換装が容易なメモリやストレージ類といった高い拡張性に、パワフルな処理性能とミニPCに求められるものを詰め込んだ欲張りセットに仕上がっています。
また、価格面では今回レビューした8GB/256GBモデルが627.99ドルと6万円代半ばでミニPCの中では格安ではありませんが、Ryzen 5 3550Hの性能を考えると及第点。セール時ならさらにお安くなることも予想できます。
MNシリーズの伝統になってしまっている日本語化の作業や、初期状態での謎のパーティション分けがあるのはネックになるのでその点だけは注意が必要ですが、それを考慮に入れても検討する価値はあるモデルだと感じました。
T-bao TBOOK MN35はコンパクトでパワフルなPCが欲しい方や、画質は落としてもいいからある程度ゲームが動くPCが欲しいって方にオススメできるモデルです!ハイスペックで色々と遊べるミニPCを購入しようかと思っている方は是非本機も検討してみて下さいね!