Xperia 1 Vの実機レビュー。新型センサー搭載フラッグシップモデルを試す

Sonyのフラッグシップ5Gスマホ「Xperia 1 V(エクスペリアワンマークファイブ)」の実機レビューをお届けします!

最新SoCのSnapdragon 8 Gen 2、6.5型4K/120Hzディスプレイ、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を世界で初めて搭載するフラッグシップモデルをじっくり試していきます。

なお、本体はメーカーさん(商品貸出:ソニーマーケティング株式会社)にお借りして制作しています。

スペック、検証結果の一覧

スペック表を表示
各種検証結果を表示

advertisement

独自のテクスチャ加工で滑りづらく握りやすい

Xperia 1 Vはドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリアのほか、公開市場版がリリースされます。ちなみに公開市場版はこれまで半年遅れでリリースされる感じでしたが…今回は1ヶ月ズレの7月にリリース!なのでキャリア版と公開市場版を比較しながら選びやすくなってます。

▼カラーはブラック、プラチナシルバー、カーキグリーンの3色展開。↓

キャリアではブラックとプラチナシルバーの2色、公開市場版はカーキグリーンを含めた3色展開です。ちなみにガルマックスに届いたものはプラチナシルバーでした。

Xperia 1 Ⅳは背面がツルツルとした質感でしたが、Xperia 1 Vはザラザラとした質感のテクスチャーを施したフロスト強化ガラスの背面パネルとなっています。これはXperia 1 V専用に開発されたのだとか。

▼なんだか”道具感”が強くなった印象ですね。プラチナシルバーはケースなしでも汚れが目立ちづらいです。↓

ザラザラとした背面や細かくラインの入ったサイドフレームは見た目通りのグリップ力。デスクから持ち上げる時も、WEBブラウジングしている時も、写真を撮影している時も滑りづらく、前モデルからホールド感が大きく向上していると感じました。高級感よりも機能的に、という感じですかね?

伝統の21:9縦長ディスプレイを引き続き採用。6.5インチと大画面ながらも横幅は71mmに抑えられているので、”握り心地”は良いですね。

▼握りやすいですが、手の小さな僕は片手操作が難しいです。↓

文字入力なら片手でも問題なかったのですが、縦にディスプレイが長いので画面の上部タップは持ち替えが必要です。

▼左側面は何もありませんでした。↓

▼右側面は音量、指紋センサー付き電源ボタン、シャッターボタンと並びます。↓

▼上部はフラッグシップモデルでは省かれがちなイヤホンジャックも搭載。↓

▼下部はSIMピン不要で取り出せるSIMトレイとUSB-Cが備わっていました。↓

▼SIMトレイはNanoSIMが1枚とMicroSDが1枚入るようになっています。↓

Xperia 1 Vを購入するユーザーは沢山写真や動画を撮影すると思いますが、MicroSDが利用できるのでカメラ用のストレージとして使えるのが良いですね!特にキャリア版は公開市場版と比較してストレージ容量が半分の256GBなので、MicroSD対応は嬉しいポイントです。

筐体の質感が刷新されたことで賛否両論ありそうですが、僕は”道具”としての完成度が高くなった印象で結構好きです。とにかく滑りづらいので扱いやすいなと感じました。

advertisement

高いパフォーマンスを長時間維持できる

Xperia 1 Vが搭載するSoCは、業界で”アタリ”と言われているSnapdragon 8 Gen 2。前世代から着実にパフォーマンスアップしながらも発熱に対するコントロールがしやすいと言われています。

実際にゲームを20分プレイしてフレームレートを計測しましたが、発熱が原因のフレームレート低下はみられず、安定的に高パフォーマンスを叩き出せています。

これはゲームに限らず、カメラ利用時も同様に安定しています。特に高解像度の動画撮影ではXperia 1 Ⅳだと発熱による強制停止で10分も撮影出来ませんでしたが、Xperia 1 Vは20分以上も連続撮影できています。

Xperia 1 Ⅳも当時としては最高峰のSnapdragon 8+ Gen 1を搭載していたのでピークパフォーマンスは素晴らしかったのですが、発熱問題で台無しになってしまっていたので、メーカーさんも改善点として相当の発熱対策を施したようですね。

発熱に対する対策はメーカーさんのアピールポイントでもあったのですが、実機でもその効果を実感することができます。

ゲームも快適。ライブ配信も簡単にできる

Xperia 1 Vはゲーミングモデルも採用するSnapdragon 8 Gen 2を搭載、ゲームを有利にプレイできるゲーミング機能、そして安定性を更に高めてプレイできる多機能ゲーミングギア「Xperia Stream」が利用できるなど、スタンダードモデルでありながらゲーミングモデル顔負けの仕様。

実際に様々なゲームをプレイしましたが、基本的に「とても快適」にゲームがプレイ出来ます。

▼原神ではデフォルト設定が「中」。高負荷時の下限フレームレートが57FPS。動作の重い状態でも非常に快適です。読み込みも速くストレスを感じません。↓

▼PUBGモバイルではハイエンドモデルでも一部しか開放されない90fps設定も可能でした。スムーズ+極限(60fps)を超える滑らかな描画でのプレイはゲーミングモデル並の快適度です。↓

ちなみにXperia 1 VはPUBGモバイルの国内プロリーグの協議端末として選ばれるほどなので、ゲーム用途としても魅力的な一台でしょう。

▼その他、Xperia 1 V単体でライブ配信にも対応しています。↓

スマートフォンでのライブ配信は非常に敷居が高いんです。映像出力をどうするか、キャプチャーする機材は何を使うか、配信用PCはどの程度の性能が必要か、配信ソフトは何を使うかなどを考える必要がありますからね…。

スマホでライブ配信しようと思うと苦労するポイントが多いのですが、Xperia 1 Vは面倒な部分をすっ飛ばして簡単にライブ配信できる点がGood!Xperia Streamを使えば有線LANを使えるので通信の安定性を向上させることも出来ます。

Xperia 1 Vはゲームを長時間安定的にプレイしたい人はもちろん、ゲーム配信にチャレンジしたいユーザーにもオススメしたいモデルです。

advertisement

屋外でも見やすい21:9ディスプレイと高音質のスピーカー

ディスプレイは引き続き6.5型の4K/120Hzで21:9の有機ELディスプレイを搭載してます。輝度も高く屋外でもとても見やすいディスプレイですね。

▼Sonyスマホの伝統とも言える21:9ディスプレイは、縦に長いのでWEBブラウジングやSNSの情報が沢山表示でき閲覧がとても快適。↓

著作権コンテンツを高画質で再生できるWidevine L1の対応はもちろん、HDRコンテンツを楽しめたり、クリエイティブ作業に適した表示へ簡単に切り替えられるクリエイターモードも搭載してます。

21:9ディスプレイは縦長なので画面サイズの割にスリムであることや、文章ベースのコンテンツは1画面で沢山の情報が表示できるので読みやすいこと、2画面が扱いやすいこと、21:9コンテンツであれば画面いっぱいに映像を楽しめる点が良いところですね。

一方で、16:9比率のコンテンツが多いYouTubeなどでは黒帯が太いので没入感は低めです。また、同じ画面サイズでも表示サイズが小さくなります。

▼スピーカーはフロントベゼル側に備わっていました。上下に備わっているステレオです。↓

この配置は横持ち時にスピーカーを手で塞ぎずらいので、ゲームなどでもクリアなサウンドで楽しめます。音質はさすがフラッグシップと言ったところで高音質!ゲームも映画もスピーカーサウンドで存分に楽しめるレベルです。

▼また、イヤホンジャックを搭載している点も見逃せません。↓

お気に入りの有線イヤホンやヘッドホンを利用可能できる魅力はもちろん、ゲームシーンにおいては遅延の無い有線のゲーミングヘッドセットを利用できる点も大きな利点と言えそうです。

知識が無くてもワッと驚く綺麗な写真を撮影できるカメラ

Xperia 1シリーズと言えばカメラ。これまでも、その時々でSonyの技術の粋を結集したカメラを搭載してきましたが、Xperia 1 Vのカメラは内部が劇的に進化しています。特に今回は24mmカメラが主にアップグレードされています。

進化ポイントをまとめるとこんな感じ。

  • 4画素を1画素として記録するピクセルビニングに対応して沢山光を取り込めるようになった
  • 広角カメラは約1.7倍になった新型の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーで低照度性能が約2倍にアップ
  • 高度な重ね合わせ撮影により広いダイナミックレンジと低ノイズを実現した

Xperia 1シリーズと言えば、これまでαシリーズを使っているユーザーが満足できるような玄人感が強く実際にそうでしたが、Xperia 1 Vを使ってみると…なんだかスマホライクな使い方にフォーカスしたチューニングになっているんです。

▼UIも縦撮影しやすいよう設計されてました。↓

また、シャッターを切るだけのBASICやAUTOでは写真の質をグッと向上してくれる「重ね合わせ撮影」が使えるようになっているので、カメラに詳しくない人でも簡単に凄い写真が撮影できるようになってるんです。

新型の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーを採用することで、これまで以上に暗所に強くなっているのも特徴。メインカメラでの撮影では夜景などもフルオートで鮮明かつノイズの少ないハイクオリティー画質の写真撮影を楽しめました。

▼BASICでシャッター切っただけの写真です。空の階調も美しいですし、ピントもバチバチ。色んなスマホをレビューしてきましたが、ちょっとこれ凄すぎるんですが…。↓

▼室内など自然光の少ない場所でもノイズの非常に少ない写真撮影を楽しめます。料理が綺麗に撮れるのって良いですよね。1インチセンサーモデルより被写体に近づけるのもスマホカメラらしくて良いですね。↓

また、上の写真のように被写体を左手で持って右手で撮影するようなシーンでもシャッターボタンを使えば非常にイージーです。もちろん半押しAFも使えます。筆者は手が小さいですがホールド感も良く片手撮影でも安定して撮影できます。

advertisement

Xperia 1 Vは超広角、メイン、望遠とあらゆるレンジで撮影を楽しめる仕様ですが、Xperia 1 Ⅳでは苦手だった2倍ズームの画質もかなり向上していました。

▼超広角から望遠で撮影した写真。0.7、1、2、3.5、5.2、10、15.6倍順に並べてます。↓

色々と撮影してきたんですが、BASICやAUTOはとにかく失敗が少ないですね。そしてクオリティーが高いです。

マニュアル撮影も従来機同様に楽しめますが、スマホカメラに求める「簡単に綺麗に」をこれでもかと煮詰めてきているので、そういったラフな撮影でもカメラの持つポテンシャルを思いっきり引き出せます。

▼色々撮影してきたんですが、人によってはPやSでも重ね合わせ撮影してほしいと愚痴がでるかも。そのくらいBASICやAUTOの写真バランスが凄いです。↓

Xperia 1 Vまとめ

これ…久しぶりのアタリモデルじゃないですかね?

発熱問題も解消され動作も安定しましたし、カメラの進化も想像以上。スマホのカメラしか使ったことのないユーザーでもXperia 1 Vカメラのポテンシャルをこれでもかと引き出せるようになっています。

デザインも凄いですね。1インチセンサー搭載モデルは光を多く取り込める変わりに厚みも増しますが、大判化は程々に新型の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーにて低照度性能をアップすることで、薄くスタイリッシュなデザインを実現。このあたりはSonyの執念を感じる部分です。

前モデルは好きな人にとって堪らない製品といった感じでしたが、Xperia 1 Vはライトユーザーをも魅了する内容となっており、「誰もが憧れる製品」に近づいた感じがします。

ただ…約20万円という価格は確実に人を選びますね。この点に関しては、大手キャリアだけでなく公開市場版も施策しています。実質負担を下げる購入方法など以下の記事でまとめているのでチェックしてみて下さい。

Xperia 1 Vの価格比較と約2年レンタル時の負担額まとめ

Xperia 1 Vの購入先まとめ

■Xperia 1 V■

▼公開市場版(Sonyストア)の製品とキャリア版ではメモリとストレージの搭載量が違うので注意して下さい。あとソフトバンクのは強力に本体を冷却するXperia Streamが付属したモデルです。↓

ページトップへ