Lenovo YOGA Pad ProにグローバルROMを突っ込んだ機体を入手したのでレビュー

Lenovoの「YOGA Pad Pro」を購入!ハイエンドなSnapdragon 870を搭載した念願のハイエンドYOGA Tab!実機が届いたのでレビューをお届けします。

今回レビューするYOGA Pad Proは中国版にグローバルROMを導入した機体となります!日本発売モデルや海外発売モデルと仕様が異なる可能性がありますのでご注意ください。

良かった点

  • Snapdragon 870にメモリ8GBのハイスペック仕様
  • ポータブルディスプレイとして使える!
  • 顔認証はLenovoタブレットでは珍しく使えるレベル!
  • スピーカーはタブレット内臓のものではかなり良い!

注意点

  • 13インチ+シリンダー型のデザインで頻繁に持ち運ぶには向いていない
  • ポータブルディスプレイとしての機能は最低限

YOGA Pad Proのレビュー

ある日のこと。いつもの如くネットショップを覗いていたところ、偶然にも安くで出品されていたYOGA Pad Proを発見。相場から考えてかなり安かった為に即購入しました。

届いた個体は日本で流通している中国版でありがちなグローバル版と呼ばれるROMが導入された物で、本来入っているはずのZUIではありませんでした。

執筆段階ではZUIのROMも配布されておらず、無理矢理中国版にグローバル版ROMを導入しているので、アップデートの案内は来るのですが、アップデートを適用するとROMが適合しない旨のメッセージが出て起動しない状態になっちゃうんですよね。

よって、今回レビューするものはYOGA Pad Proや日本版YOGA Tab 13の本来の仕様とは異なる点が多々あることをあらかじめご了承願います。

YOGA Pad Proの付属品レビュー

YOGA Pad Proの付属品はこんな感じ。

YOGA Pad Pro

  1. 本体
  2. 充電器
  3. 充電ケーブル
  4. Type-C – イヤホン変換ケーブル
  5. HDMIケーブル
  6. クイックガイド

最近の端末にしてはかなり充実した内容。特に有線イヤホン派の方はイヤホン変換ケーブルは嬉しい付属品ではないでしょうか。

また、HDMIケーブルもあらかじめ付属しているので、別途ケーブルを購入する必要がないのもいいですね。

付属していた充電器は30Wの急速充電に対応している物。端子も2枚刃の日本でも流通しているタイプなので、そのまま使うことが可能です。

オススメのアクセサリー

海外で流通しているタブレットはアクセサリー類の入手難易度が高めで手に入れにくいんですが、YOGA Pad Proは日本ではYOGA Tab 13として流通しているモデル。保護フィルムや保護ケースの入手難易度は格段に易しい部類に入ります。

▼PDA工房さんでもYOGA Tab 13用のフィルムが各種用意されているので好みのフィルムタイプをチョイスしましょう!↓

▼他にもAmazonでは背面ケースとか購入可能なんでチェック!↓

YOGA Pad Proのデザイン・外観のレビュー

YOGA Pad Proのデザインは黒を基調とした高級感を感じられる仕上がり。

▼背面はプラスチック素材の他にアルカンターラを採用。アルカンターラは高級車の内装素材やSurfaceのタイプカバーにも用いられている素材。↓

YOGA Pad Pro

YOGA Tab 11ではファブリックだったので背面の布素材も変わっています。高級感や手触りもアルカンターラだけあり、ファブリックより上質に感じましたね。

アルカンターラは普通の布素材よりも水や汚れに強い特徴は持っているものの、金属やプラスチックよりは汚れに弱いので、ケースを付けずに使うのなら定期的にお手入れはした方が良さそうですね。

▼YOGA Pad Proの背面カメラはタブレットでも珍しく非搭載。大型タブレットにはカメラが不要との判断だと思いますが、割り切りがいい潔い設計ではないでしょうか。↓

YOGA Pad Pro

▼背面素材以外はYOGA Tab 11と同じようなデザイン。YOGAタブレットらしい置いて使うのに便利なスタイルです。↓

YOGA Pad Pro

▼左側面:Micro HDMI端子↓

YOGA Pad Pro

▼右側面:マイク、音量調節ボタン、電源ボタン、USB Type-C端子↓

YOGA Pad Pro

▼上部:スピーカー、マイク↓

YOGA Pad Pro

▼下部:スピーカー↓

YOGA Pad Pro

▼YOGA Tab Proのディスプレイサイズは13インチとMacBook Airと同じくらいでタブレットにしては超大型のサイズ。↓

YOGA Pad Pro

ここまで巨大な上に筐体下部にシリンダー型の部分がある構造だと頻繁に外へ持ち出すような使い方には不向き。タブレットとして考えると持ち運びして使うなら家の中が限度でしょう。

但し、後述するようにモバイルモニターとして使う目的で持ち運ぶのであれば話は別。モニターとしてはコンパクトな13インチでなおかつスタンドも組み込まれているので嵩張らずに済みます。

Androidタブレットとして使うかモバイルモニターとして使うかによって持ち運びに適しているかどうかが変わってくる珍しい製品でもありますので、そのあたりは個人のスタイルによって変わってくるのではないでしょうか。

▼先ほども述べましたが、YOGA Tabシリーズの伝統であるシリンダー型の部分はもちろん健在。↓

YOGA Pad Pro

キックスタンドはYOGA Tab 11と同じような鉄棒がグルっと円を書いたデザインへと変更。設置部分はゴムが取り付けられているので、キズつきの心配も軽減されています!筐体のカラーに従ってゴムの色も黒色になっています。

キックスタンドの角度も無段階調整式となっているので、前以上に自分が好きなスタイルで置いて使うことが可能になっています。

以下のように様々なスタイルでコンテンツなどを楽しめます。

▼YOGA Pad Proのキックスタンドをそのまま使うベーシックなスタイル。ベーシックではありますが、動画視聴に適したスタイルです。↓

YOGA Pad Pro

▼ディスプレイ上部とスタンドで支えるスタイルはソフトウェアキーボードなどをタイピングするのに便利。↓

YOGA Pad Pro

▼ハングスタイルでは持ち運ぶ以外にも引っ掛けて使うことも可能。YOGAタブレットらしい奇抜なスタイルです!↓

YOGA Pad Pro

▼スタンドの角度は大体こんな感じまで可動できます。↓

YOGA Pad Pro

YOGA Pad Pro

YOGA Pad Pro

YOGA Pad Proのベンチマーク

YOGA Pad ProのSoCはSnapdragon 870です。端末の処理性能を数値化するベンチマークをチェックしてみましょう。

▼YOGA Pad Proの実機でAnTuTu(Ver9)を測定しました!総合スコアは687472、GPUスコアは235676です!↓

YOGA Pad Pro

▼以下は現在市場で主流となっている各性能帯の参考スコアです。現時点で本端末の性能がどのランクに相当するか確認が出来ます!↓
AnTuTuスコア動作・操作感
総合スコア:約150万点以上
GPUスコア:約60万点以上
ヌルヌル、動作に不満なし
総合スコア:約100万点〜150万点
GPUスコア:約35万点〜60万点
重いゲームもなんとか
総合スコア:約50万点〜100万点
GPUスコア:約15万点〜35万点
軽いゲームくらいなら
総合スコア:約25万点〜50万点
GPUスコア:約5万点〜15万点
必要最低限
総合スコア:約25万点以下
GPUスコア:約5万点以下
サブ端末向き
▼ガルマックスでは色々なスマホのAnTuTuベンチマークがデータベース化されています。ユーザさんからもスクリーンショットを募集しているのでよろしければどうぞ。↓
スマホの実機AnTuTuベンチマークスコアまとめ

▼その他、Geekbench 5、PCMark、3DMarkでのスコアは以下の通り!↓

YOGA Pad Pro

▼ストレージ速度は読み込みが1410.0MB/s、書き込みが738.4MB/s。ハイエンドだけあってかなり高速ですね。↓

YOGA Pad Pro

YOGA Pad Proの機能・仕様のレビュー

まずは検証結果から。

通知ランプ
指紋認証
顔認証 ○:速度・精度は申し分なし
ツインアプリ
(デュアルアプリ)
PCモード
外部映像出力 HDMIポートへの出力:○
戻るボタン入れ替え
ジェスチャー操作
クイックランチャー
ゲームモード
冷却システム
MicroSD
内部ストレージ化
-:MicroSD自体非対応
Photoshop Camera
PUBGモバイル
グラフィック設定
フレームレート設定
スムーズ設定時→【スムーズ】+【極限】
最高クオリティ&フレーム設定→【FHD】+【ウルトラ】
スピーカー クアッド
イコライザー ○:設定内のDolby Atmosにて3パターンから選択可能
Bluetoothコーデック SBC:○
AAC:○
aptX:○
aptX HD:○
LDAC:○
aptX Adaptive:○
aptX TWS+:○
※開発者オプション上の一覧の結果です。お手持ちの機器での接続を保証するものではありません
DRMコンテンツ Widevine:L1
Amazonプライムビデオ:HD(高画質)で再生を確認
Netflix:FHD画質で再生を確認
高リフレッシュレート
表示モード ダークテーマ、目の保護モード
画質調整 「カラーモード」から柔軟に設定可能
備考

DRMコンテンツに関して注意点があります。

冒頭にも記載したように今回レビューしているYOGA Pad Proは中国モデルにグローバルROMとなっているものを導入した状態ですので、厳密に言うと中国版YOGA Pad Proではありませんし、日本版のYOGA Tab 13でもありません。

今回の検証ではWidevineはL1でNetflixやAmazonプライムビデオは高画質再生が可能でしたが、ROMを書き換えたモデルで絶対に高画質再生ができる保証はありませんので、その点は参考程度ということでご了承願います。

YOGA Pad Proの詳細スペックは以下から!

Lenovo YOGA Pad Proのスペックまとめ

日本で発売されているYOGA Tab 13に関しては以下からどうぞ!

モバイルモニターにも使えるAndroidタブ「Yoga Tab 13」8/6発売。11型もHDMI入力ほしかった

YOGA Pad Proにグローバル版ROMを導入すると正規の手順でNetflixが使えなくなる!

今回レビューしているのは再三記載している通り中国版のYOGA Pad Proにグローバル版ROMを導入した製品。

その代償にNetflixに関して、プリインストールされているものはアップデートしろと表記が出て起動できません。

▼アップデートしろとの表記に従い、PlayストアでNetflixのページを表示すると使っているデバイスに対応しなくなった旨が表記され、更新ができません。開くを押してもアップデートしろと出て起動ができない永久ループです。↓

YOGA Pad Pro

原因はSafetyNetと呼ばれるセキュリティ認証のプロテクトによるもののようですが、APKPureに配布されているapkファイル(いわゆる野良アプリ)からは導入が可能でした。

ただし、正規の配布場所でない場所からアプリを導入する以上、セキュリティ上のリスクは普段よりも格段に高くなります。同様の仕様のYOGA Pad ProでNetflixを視聴したい方はその旨を覚えておきましょう!

Snapdragon 870が誇る高い処理性能。ゲームもドンとこい!

下位モデルのYOGA Tab 11がミドルハイレベルのHelio G90Tを搭載していますが、YOGA Pad Proは更に高性能なSnapdragon 870を搭載。

同時期の最上級SoCのSnapdragon 888と比べると多少性能は落ちますが、前世代のSnapdragon 865より性能が高いバリバリのハイエンドSoC

スマホゲーの中ではダントツに負荷がかかる「原神」も中画質(デフォルト)なら殆どカクつく場面なく遊べちゃいます。

YOGA Pad Pro

原神以外のほとんどのゲームが快適に動くくらいの性能なので、タブレットで行うことの殆どは過不足なく行えるのではないでしょうか。まさにAndroidタブレット最強スペックですね。

顔認証機能は使えるレベル!

YOGA Pad Proは生体認証に顔認証方式を採用。肝心の精度と速度は暗所は少し苦手なものの明るい場所なら結構早く良い感じに使えます。

YOGA Tab 11、Lenovo Tab、LAVIE TabなどLenovo製タブレットの顔認証は精度や速度に難があるものが多い印象でしたが、YOGA Pad Proはそこまで酷くはなく常用できるレベルだと感じました。ToFセンサーの恩恵が多少はあるのかも?

欲を言えば指紋認証にも対応してほしかったところですが、顔認証でもある程度使い物になるのと、YOGA Pad Pro自体がデスクに置いて使用するのがメインの使い方だと思われますので、特に不満は感じなかったですね。

本体内臓のスピーカーとしては上出来

YOGA Pad ProにはYOGA Tab 11と同じくJBLのスピーカーが4機搭載されており、Dolby Atmosにも対応。サウンド面でも抜かりがないことをアピールしています。

実際に聴いてみたところ、Dolbyをオフにした状態でもある程度の迫力が表現できており、タブレット本体のスピーカーにしては上出来のレベルに仕上がっていました。

▼Dolbyをオンにするには設定内の「音」もしくはクイック設定パネルからアクセスしましょう。↓

YOGA Pad Pro

YOGA Pad Pro

▼プリセットで3種類のエフェクトが用意されていますので、好みに応じて切り替えるのがいいんじゃないでしょうか。↓

YOGA Pad Pro

モバイルモニターとして使用可能!機能面では質素

YOGA Pad Proの最大の特徴は本体に備え付けられているMicro HDMI端子を用いて本体のディスプレイへ映像を出力できること。

▼HDMIケーブルはあらかじめ付属しているので、個別にケーブルを購入しなくとも機器の映像を映し出すことが可能。PS Vita TVを出力してみましたがいい感じ。↓

YOGA Pad Pro

映像を出力したい時は一旦スリープ状態にしてからケーブルを接続しましょう。しばらくすると機器の映像が出力されるはずです。

▼出力中にYOGA Pad Proのディスプレイをタップすると画面比率やディスプレイの明るさ、バッテリー残量が表示されます。↓

YOGA Pad Pro

ディスプレイの明るさは中央の明るさアイコンをタップしてプラスマイナスをタップして調整しましょう。

ただ、モバイルモニターとしては凝った機能はなく、本当に映せるだけって感じ。YOGA Pad Proの本体価格から考えると機能面では物足りなさを感じます。

モバイルモニター目的で購入する目的の方はその点を留意した上でご検討ください!

日本版との主な違いはストレージ容量とOS。サポートを求めるなら日本版のYOGA Tab 13を選ぼう!

最後に一つ、日本版との比較をしておきたいと思います。日本版YOGA Tab 13との違いは以下の通り。

  • 名称がYOGA Tab 13になり、パッケージデザインがYOGA Tab 11と同じようなものに変更されている
  • ストレージ容量が128GB(256GBから半減)
  • OSがAOSPベースのSmart Launcherになっている

名称が変更されているのは小さな変更点ではありますが、ストレージ容量が半減しているのは大きな違い。というのも、YOGA Pad ProやYOGA Tab 13はMicro SDに対応していないから。

最悪USBメモリを使えばいいんですが、充電中は使えなかったり出っ張った部分が邪魔だったりと不便さが増してしまいます。弟分のYOGA Tab 11ではMicro SDが使えるので余計に残念に感じてしまいますね。

もうちょっと価格が高くなってもよかったのでストレージ容量は256GBを維持して欲しかったのが正直なところですね…

また、OSはベースこそ同じAndroidですが、日本版はLenovoがグローバル向けで展開しているAOSPベースのSmart Launcherを搭載しています。今回レビューしているのもこちらのROMとなりますね。

YOGA Pad Proに本来搭載されているのはLenovoが中国向けに展開しているZUI。ZUIはAOSPと比べるとガッツリと手が入っており、独自要素は強めです。

ただ、独自要素を盛り込んでいる点や日本語に対応していない点などでクセが強く、好みが分かれやすいものになっています。また、初期状態ではGMSは導入されていないので、自分で導入する必要があります。

以上の点より、YOGA Pad ProかYOGA Tab 13のどちらを選べばいいのか考えている方は以下のポイントを参考にしてみてください。

  • とにかく安く13インチのYOGAタブレットが欲しい、ストレージが多い方が良い→YOGA Pad Pro
  • 修理受付やアップデートなどサポートがしっかりと受けられる方がいい、手間をかけずにすぐ使い始めたい→YOGA Tab 13

YOGA Pad Proのカメラ・写真・動画のレビュー

構成・画素数 800万画素(メイン)
撮影モード ビデオ、写真、ポートレート
ズーム デジタル。2倍にワンタップ切り替え可で以降はピンチ操作で最大6倍まで対応
シャッター音の消音 カメラアプリの設定から可
マニュアルの設定幅
動画解像度 720P、1080P
手ブレ補正

YOGA Pad Proのカメラはタブレットとしてもかなり珍しいアウトカメラが非搭載の端末。但し、インカメラはしっかりと搭載しています。

▼背面ぼかし機能も搭載しているので、インカメラを利用した自撮りもできます。人間の識別もある程度はできているみたいです。やっぱこの辺りの精度を支えるのはToFセンサーのおかげでしょうか。↓

YOGA Pad Pro
デフォルトのぼかし強度
YOGA Pad Pro
ぼかし強度最大

とはいえ、画質自体は特筆すべきものではない普通の写り。ビデオ会議などでは十分以上の使い物になるのでタブレットのインカメラを使う用途ではしっかりと役立ってくれると思います。

レビューまとめ

YOGA Pad Pro

いやぁ、やっぱりいいですね。筆者は購入して大満足してます。

確かにLenovo Xiaoxin Pad ProやXiaomi Pad 5などの高コスパハイエンドタブレットと比べるとYOGA Pad Proは中国直販価格が3,799元(約6.5万円)と割高に感じます。

しかし、ハイエンドタブレットに相応しい高い処理性能にプレミアムラインらしい質感の高さや独特のデザイン、モバイルモニターとして使用可能な機能性の高さも含めて考えると納得の価格設定です。

日本仕様のYOGA Tab 13は7万円台後半から8万円台で流通していますが、ローカライズやアップデートを含めたサポートを考えると妥当な価格設定かと思います。

日本国内で流通しているハイエンドAndroidタブレットは選択肢が執筆時点ではこれしかないのもありますけどね…

大画面でコンテンツを楽しみたい方はもちろんのこと、タブレットでゲームを存分に遊びたい方も大満足なタブレットなので、デカい画面と少し高めの価格に抵抗がないなら検討する価値は大いにあるでしょう!オススメです!

▼日本版の「YOGA Tab 13」は以下。ストレージ容量は128GBです。↓

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