ミドルレンジSoCのSnapdragon 678発表!進化点をチェック!
大手SoC製造メーカーのQualcommが12月15日に新型SoCであるSnapdragon 678を発表しました。型番から見てもミドルレンジSoCであるSnapdragon 675の後継と言えるモデルですが、どのような性能なのか確認していきましょう!
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Snapdragon 678の特徴
Snapdragon 678の特徴について紹介していきます!
モデムはSnapdragon X12 LTEを搭載。5Gは非対応!
Snapdragon 678のモデムはSnapdragon X12 LTEを採用。Snapdragon X12 LTEは4G LTEまでの対応で、次世代の通信規格である5Gは非対応となっています。
Snapdragon X12 LTEはDSDVに対応しており、最大ダウンロード速度は600Mbps、最大アップロード速度は150MbpsとLTE対応モデムとしては標準的。
第3世代のQualcomm AI Engineに対応!
Snapdragon 678は第3世代Qualcomm AI Engineを搭載。第3世代Qualcomm AI EngineはSnapdragon 655でも採用されていたもので、第6世代Qualcomm AI Engineが発表された2020年では控えめのものとなっています。
確かに機械学習の処理性能は最新世代には劣るものの、きちんと別口でAI Engineが搭載されているのはGOODポイントです!
CPU、GPUはKryo 460にAdreno 612の組み合わせ!
Snapdragon 678のCPUはSnapdragon 675と同じKryo 460ですが、クロック周波数が0.2GHzほどアップしているのが特徴。GPUもSnapdragon 675と同じAdreno 612を搭載しています。
ちなみに製造プロセスは11nmで、2020年ではエントリーやミドルレンジ向けのものでよく採用されているプロセスとなっています。
Qualcommの公式サイトでは性能アップを謳っているものの、両方ともに具体的な性能アップの数値は出ていませんので、性能向上の度合いは僅かだと思われます。
参考までにSnapdragon 678のベースとなるSnapdragon 675のAntuTuスコアを掲載しておきますので参考にしてみてください!
- 総合スコア:約210,000
- 3D(GPU)スコア:約35,000
最大搭載可能メモリはLPDDR4/4xの8GB!
Snapdragon 678の最大搭載可能メモリはLPDDR4/4xの8GBとザ・ミドルレンジって感じのスペック。ちなみにメモリの最大クロック周波数は1,866MHzと気持ち速いかなって感じです。
Snapdragon 678はあくまでも普段使いの用途を十分こなせるレベルがメインのミドルレンジですので、ゲーミング用途は考えられていないのは頭の片隅に留めておきましょう!
FHD+(2,520×1,080)解像度に対応
Snapdragon 678の最大ディスプレイ解像度はFHD+(2,520×1,080)に対応。リフレッシュレートは標準的な60Hzまでにとどまっています。FHD+に60Hzはミドルレンジでは標準的なものですが、正直パンチに欠けるのも事実。
この辺はSnapdragon 678が2018年のミドルレンジSoCのSnapdragon 675ベースのマイナーチェンジであることを考えるとスペック据え置きなのもしょうがないのかもしれないですね。
総評:あくまでもSnapdragon 675のマイナーチェンジモデルで目新しさは無い
Snapdragon 678は先述の通りSnapdragon 675をベースとしたマイナーチェンジモデルの位置付け。しかもSnapdragon 675との大きな違いはCPUであるKryo 460のクロック周波数が少し向上した程度とかなり軽微なもの。
一言で言ってしまうとSnapdragon 678は2020年版Snapdragon 675って感じの特徴の薄いモデルになってしまっているように感じました。
となると、気になるのは価格。執筆段階ではSnapdragon 678搭載端末の情報は出ていませんが、ミドルレンジ上位クラスの性能をワンランク下のミドルレンジレベルの価格で手に入ることに期待したい所です!