Iris Xe GraphicsはシングルチャネルだとUHD Graphicsになってしまう?!条件と性能差をチェックしてみた!

Iris Xe Graphics搭載PCのはずなのにUHD Graphicsと表示されている…」といった事例がたま〜にありますが、実はIris Xe Graphicsとなるためにはある条件があることをご存知でしょうか?

筆者もそういったパターンに遭遇した経験がいくつかあるので、Iris Xe Graphicsになる条件に加えて、性能差もチェックしてみました!

Iris Xe Graphicsはメモリの枚数でUHD Graphicsへダウングレードしてしまう

第11世代Core(いわゆるTiger Lake世代のモデル)では、今まで採用されてきたUHD GraphicsやIris Plus Graphicsに変わる内蔵グラフィックとして、Iris Xe Graphicsが採用されています。

ただし、Iris Xe Graphicsになるためには一つ条件が必要なことはみなさんご存知でしょうか?

その条件とは、メモリがシングルチャネルかデュアルチャネルかということ。

▼Tiger Lake以降のCPUは以下の組み合わせで内蔵GPUが変更されます。↓

  • シングルチャネル(メモリ1枚刺し):UHD Graphics
  • デュアルチャネル(メモリ2枚刺し):Iris Xe Graphics

▼参考までに、Intel公式ページでの解説を引用しておきます。Iris Xeにするためにはデュアルチャネルにしろとの記載が確かにありますね!↓

詳細

コンピューターにはグラフィックスインテル® Iris® Xeが、デバイス・マネージャーに インテル® UHD グラフィックス と表示されます。

解決方法

グラフィックス機能インテル® Iris® Xe、システムにデュアルチャネル・メモリーを構成する必要があります。シングルチャネル・メモリーを搭載したシステムでは、インテル Iris Xe グラフィックスがインテル UHD グラフィックスとして機能します。詳細については、システムの製造元にお問い合わせください。

インテル® Iris® Xe・グラフィックスに対応したシステムでインテル® UHD グラフィックスを使用している場合、その原因を教えてください。 – intel.co.jp

なお、Core Ultra以降で採用されている内蔵GPUであるArc Graphicsは、Core™ Ultra(Hシリーズ)の一部モデルで、なおかつ16GB以上搭載したデュアルチャネル構成でないと有効化されないとのこと。上記の図と同じ構図ですね。

ここで一つ気になるのは、Iris Xe対応モデルではUHDとIris Xeで差が出るの?ということ。筆者もどれだけスコアに差が出るのか気になったので、実際にチェックしてみることにしました!

▼今回検証に使用したPCはGMK NucBox K10。メモリー換装が可能なモデルなので、実際にどれほどの差が出るのかしっかり把握できるはず!↓

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使用したメモリーは以下の通り。できる限り条件を合わせるためにどちらも合計16GBで統一させています。

▼シングルチャネル時はデフォルトで採用されていたものを使用。ADATA製のDDR5-5600のSO-DIMMです。↓

UHD Iris Xe 比較

▼デュアルチャネル時はPRINSTONブランド(Micronロゴ有り)のDDR5-4800の8GBを2枚。メモリークロックがデフォルトのものより低いので、厳密に言うと同条件ではありませんがご了承下さい。↓

UHD Iris Xe 比較

実際に検証してみた!

それでは実際にチェックしていきます!

なお、スクリーンショットは上がUHD、下がIris Xeとなりますので、スコアの差異をご参考ください。

▼AnTuTuでの結果は以下の通り。GPUがUHD GraphicsからIris Xe Graphicsになっているのが分かるでしょうか?GPU性能を示すスコアも向上しています。↓

GMK NucBox K10UHD Iris Xe 比較

▼Geekbench 6でOpen CLスコアを測定。少しだけスコアUPしています。↓

GMK NucBox K10

UHD Iris Xe 比較

▼Geekbench 6でVulkanスコアを測定。こちらも先ほどのOpen CLと同じくらいの上がり幅ですね。↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

▼3D MarkのTime Spyを測定。↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

▼FF14ベンチ(最低設定)を実行してみました。スコアが1.5倍以上に跳ね上がったおかげで評価も「設定変更を推奨」から「やや快適」まで引き上げられています!↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

▼FF14ベンチ(最高設定)を実行してみました。流石に最高設定にまでなると荷が重いのかスコアの伸びは芳しくありません。↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

▼FF15ベンチ(最低設定)を実行してみました。FF14ベンチと同じように評価が「やや重い」から「普通」へとランクアップしています。↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

▼FF15ベンチ(最高設定)を実行してみました。こちらもFF14ベンチと同じような傾向で、改善はするけど軽量設定ほどではないといった感じ。↓

GMK NucBox K10 UHD Iris Xe 比較

確実に違いはあるので、可能であればデュアルチャネル構成にしておくべき

以上のベンチマーク結果を参照するに、UHD GraphicsからIris Xe Graphicsへと変更されることによる性能向上は誤差レベルではなく確実にあることが判明しました。

が、Iris Xeになったことで性能が2倍、3倍になった!とまではいかず、グラフィック系のベンチマークソフトでは1.2倍〜1.3倍くらいの上がり幅に留まるって感じでしたね。

しかし、ゲーム系のベンチマークとなると単純に1.2〜1.3倍の性能アップというわけではなく、画質によって上がり幅が違っていた(軽量設定ならかなり伸びるが最高設定だとそんなに伸びない)のは面白かった点ですね。

もちろんデュアルチャネルはメモリクロックが低いメモリーで検証したので、条件を合わせるともっとスコアが伸びてた可能性はありますが。

ということで結論。

Iris Xe GraphicsはUHDよりも性能が上がるのは確実なので、換装できるのであればメモリーはデュアルチャネルにしておくべき。以上です!参考になれば幸い!

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