INNOCN GA27V1Mのレビュー。2304分割ローカルディミング、4K/FHD両対応のMiniLEDディスプレイを試す
INNOCNから2,304分割のローカルディミングに加え4K/160HzとFHD/320Hzのデュアルモードに対応する27インチディスプレイ「INNOCN GA27V1M」が登場。実機を試す機会を頂いたので使ってどうなのかレビューでまとめていきます。
ちなみに以前レビューした1,152分割のローカルディミングに対応する27インチ4K/160Hz対応の大ヒットディスプレイ「INNOCN 27M2V」を数年愛用していたので、比較もしつつレビューします。色々とパワーアップしていますよ。
■INNOCN GA27V1M■
通常価格→98,950円
▼Amazon:プライム感謝祭セールで74,299円!10月10日まで!↓
■メルカリで中古相場を調べる!■
目次をクリックすると各項目へ移動します
INNOCN GA27V1Mのスペックと付属品
ベゼルもホワイト。RGBライトも搭載
INNOCN GA27V1Mは27インチのディスプレイです。以前使っていたINNOCN 27M2Vは筺体がシルバーでしたが、INNOCN GA27V1Mはホワイトに。
▼ちゃんとベゼルまでホワイトなのが良いですね。↓
ホワイトのカラーを採用していても、KTC H27P6のようにベゼルが黒い場合もあります。ベゼルが黒いと正面からはただの黒いディスプレイに見えるので、ホワイト好きからすると「なんだかなー」って感じになるんです。
なのでベゼルまで含めてホワイトなのは嬉しいユーザーも多そう。かくいう僕も最近ホワイトで攻めてるのでとっても嬉しかったポイントです。
▼背面にはRGBライトが埋め込まれていました。壁際に設置すると光が反射してモニター周囲が美しい光のモヤで包まれている感じになりますよ。↓
ホワイトのボディーカラーも相まりゲーミング感はINNOCN 27M2Vよりも強くなった印象です。もちろん設定から光り方やカラーを変更できるだけでなくオフにもできます。
ケーブル接続の向きが後方のタイプ
▼端子類はこんな感じ。HDMI 2.1が2つ、DP 1.4が1つ、90W給電対応のUSB‐Cが1つ備わっています。↓
その他、付属のUSB‐BケーブルまたはUSB‐CケーブルをPCに接続するとUSB‐Aの2つがハブとして使えます。
端子の数は価格を考えるとこんなもんかなという感じですが、ケーブルを挿した時にケーブルが後方に流れる端子の向きは個人的に嬉しいポイントでした。
▼INNOCN 27M2Vは下部にケーブルが流れる端子の向きだったので、モニターアームを使ってディスプレイを下げた時にモニター台に干渉していたんですよね。↓
恐らくこれが原因で電源端子に負担がかかって接続不要を起こし、モニターの電源が入らないという症状が稀に発生していました。
INNOCN 27M2Vは後方に流れるタイプなので、これはこれで端子への負担は有りそうですけど、モニターをベストな位置に下げてもケーブルが干渉することが無くなったので、とりあえずは良い変化点として捉えています。
90W給電に対応するUSB‐Cポートも相変わらず便利。MacBook ProはUSB‐Cケーブル1本で給電されつつ外部映像出力できますよ。とってもスマート。
操作はジョイスティック式で操作しやすくなった
▼INNOCN 27M2Vは昔ながらのボタンで操作するタイプでした。↓
後述しますが、INNOCN 27M2VやINNOCN GA27V1Mは頻繁に設定を変更するので、上のボタンタイプは操作しずらくて微妙だったんですよね。
▼一方でINNOCN GA27V1Mはジョイスティックを採用したことで直感的な操作がしやすくなってます。↓
スティックの位置的にディスプレイの下側からではなく右側面から手を突っ込むと操作しやすいですよ。僕の短い指でもラクラク操作できてます。
という訳で横並びボタン式からジョイスティック式となり全体的な操作感は良くなりました。
設定画面上での挙動は要改善
ボタン式からジョイスティック式に変わったことで物理的な操作はしやすくなりましたが、設定画面での挙動は改善したほうが良いですね。
▼例えば輝度を調整する以下の設定画面では横向きのレベル表示になっています。↓
横向きのレベル表示だとスティックを左右に倒して調整するイメージですが、実際は上下でレベルを操作します。視覚情報からイメージする操作が噛み合わないので脳がプチフリーズ。
色相なども色に分かれて縦向きレベルが表示されていたのでスティックを左右に倒して操作すると思いきや上下操作だったりとチグハグ。スティックを右に倒すとスティック押し込みと同じ決定の挙動になるシーンもあります。
このあたりの調整は甘いなという感じですね。シンプルに使いづらいです。
特にINNOCN GA27V1Mは頻繁に設定を変更する製品なので改善してほしいと強く思ったポイントでした。
2,304分割ローカルディミングの圧倒的な黒色表現力
液晶ディスプレイは背面からバックライトで照らし画面を光らせてます。つまり、黒色もバックライトで照らされるので、ちょっと色が浮いた感じに見えるんですね。
一方で有機ELはドットが自発光するので黒色=消灯となり、真の黒色を表現できるのがウリ。なので液晶では黒色の表現力に欠ける点が課題でした。
それを大幅に解消できるのがローカルディミングという技術です。
バックライトを分割することで黒い部分のバックライトを消すことが可能で、この分割が細かいほどきめ細やかに黒い部分を黒く表現できるようになります。
INNOCN 27M2Vも1152段階という当時では最高峰のローカルディミングに対応していましたが、INNOCN GA27V1Mはわずか2年でなんと2倍の2,304分割に。恐ろしいほどの進化スピードですね。
▼左がローカルディミングをオンにした状態で左がオフの状態。ご覧の通り黒色の沈み方は雲泥の差。これが圧倒的な映像美に繋がります。↓
ローカルディミングは映像コンテンツ向き
ローカルディミングは黒色の表現力が劇的に向上するので有機EL並の美しさを発揮することもありますが、万能ではありません。
有機ELのように1ドット単位で明るさを調整できるわけではなく、「このあたりが黒いから暗くしよう」という感じ。つまり、暗くなってほしくない部分まで暗くなることが結構あります。
▼これは分かりやすい例。黒い部分に釣られてアイコンが暗くなってます。例えば白い枠や薄っすら表示されているアイコンなどは引きつられてより暗くなっているのが分かりますね。↓
映像が常に流れ続ける映像コンテンツであれば気にならないレベルなんですが、ゲームの固定アイコンや静止することの多いPC操作では違和感を覚えることも多々あります。なのでローカルディミングは映像コンテンツ向き。
僕は3パターンに分けて設定を変えて使っているので参考にしてみて下さい。(上のほうで割と頻繁に設定を変更すると伝えてた理由はこれです)
- PC作業:ローカルディミングオフ/HDRオフ
- ゲーム:ローカルディミングオン/HDRオフ
- 映画:ローカルディミングオン/HDRオン
PC作業でローカルディミングは邪魔です。WEBサイトをスクロールすると、黒い見出しなどは移動するごとにローカルディミングの調整位置が変わり、ハロー現象が起こります。また、黒い部分につられて白い部分が暗くなることが多々あるので、クリエイティブ系作業にも向きません。なのでローカルディミングオフ/HDRオフ。
ゲームは映像美を高めるためにローカルディミングをオンにしてます。固定アイコンが暗く表示される事もありますがプレイ中はそこまで気にならないので全体的な映像美を取ってローカルディミングはオン。一方でHDRをオンにすると輝度が設定できないので、ディスプレイに近い位置でプレイするキーマウ操作では眩しすぎて目が潰れそうです。なのでHDRはオフ。
映画は映像美をとにかく高めたいのでローカルディミングとHDRは共にオン。HDRをオンにするとピカッと光るシーンでは閃光のような明るさまでブーストされるので、有機ELに迫る映像美で楽しめますよ。
有機ELではなく液晶なのが良い
有機ELディスプレイはアイコンが暗くなることもないし、1ドット単位で明るさを調整できるので黒色の表現力も桁外れ。じゃあ有機ELディスプレイで良いのでは?と思う人も多いはず。最近は価格が下がって手を出しやすくなってますからね。
でも僕は液晶を好んで使っています。
まずですね、「映像を流すだけ」なら有機ELが断然オススメです。あの映像美には現時点で液晶は太刀打ちできません。
一方で映像コンテンツの視聴以外にPC作業やゲームをプレイするなら液晶がオススメ。僕はこれに該当しているので液晶を使っています。なぜならPC作業やゲームをプレイする場合、有機ELは焼付きのリスクが高くなるから。
▼というのも、焼き付きにくいと言われていた我が家の有機ELテレビもゲームをプレイしていたら見事焼き付きました。悲しい。↓
最近の有機ELディスプレイは「焼き付きにくい」と言われていますが、「焼き付かない」とは言われていません。つまり、リスクはゼロでは無いってことです。僕なんて実際に焼き付いてますし。
画面全体が常に変化する映像コンテンツの視聴であれば有機ELは焼き付きリスクも極めて低く最高なんですが、パソコンやゲームではタスクバーやアイコンなど固定表示も多く長時間におよぶ作業やゲームのプレイもザラなので、有機ELだと焼付くリスクがやっぱり高いんです。
なので、僕は映像コンテンツの視聴だけでなく長時間のPC作業やゲームの長時間プレイも多いので、映像美を追求しつつ焼き付く不安を払拭できるローカルディミング対応の液晶ディスプレイを好んで使っているという訳です。
似たような使い方且つ映像美も求めるなら、有機ELディスプレイではなくローカルディミング対応の液晶ディスプレイを僕はオススメしたいですね。
FHD/320Hz表示の映像美がトップクラス
INNOCN 27M2Vは4K/160Hzのみでしたが、INNOCN GA27V1Mは流行りの4K/160HzとFHD/320Hzのデュアルモードに対応しました。
4K解像度は4つのドットを1つにまとめると丁度FHD解像度になるので、解像度を落とした際の滲みが非常に少ないのが特徴です。
しかし、これまでデュアルモードを搭載していたモデルを試した限り、生粋のFHDディスプレイと比べてディテールの甘さが気になっていました。シャープネスを強くしてもモヤッとするんですよね。
▼INNOCN 27M2Vも似たような感じだろうと思って試してみたところ、明らかに精細感が他のモデルよりも高いです。↓
KTC H27P6でのFHDモードは生粋のFHDディスプレイが100点だとすると95点と評していましたが、本機に点数をつけるなら99点。
27インチで1,920×1,080表示だと画素密度は82ppiなので相応の粗さはありますが、この水準の精細感であればFHDモードも十分な実用性を持っていると言えます。
特にFHDモードはリフレッシュレートが320Hzにブーストするのが良いですね。APEXでは僕の持っているパソコンだと290FPSあたりが限界でしたが、異次元の滑らかさを味わえてます。
MacBook Proとも割と相性が良い
INNOCN 27M2Vは仕事でも使っていたので、INNOCN GA27V1MもMacBook Proを繋いで仕事をしてます。今回も相性は良さげです。
MacBook Proと同じ120Hzで使える
▼まず気に入っているのが4K/160Hzという仕様ですね。MacBook ProでProMotion対応ディスプレイを搭載するモデルは120Hz表示できますが、同じ滑らかさで使えます。↓
僕はMacBook Proと外部ディスプレイを縦並びで使っているんですけど、リフレッシュレートが異なると、マウスカーソルの残像感、スクロール時の残像感が異なるので目が疲れてしまうんです。
本機は最大160Hzで使える点はもちろん魅力な部分ですが、僕はMacBook Proと同じ120Hzで合わせられる点が嬉しかったですね。
ケーブル一本でハブも使える
先述しましたが90W給電に対応しているUSB‐Cポートを備えているのでケーブル1本で映像出力と充電が出来るのもスマートで気に入ってます。
また、USB‐CでMacBook Proと接続すると背面のUSB‐Aも使えるようになります。2口あるので外付けSSDなどを接続しておけばドッキングステーション的な使い方も出来ますよ。
「MAC」モードを試した結果
▼本機は簡単にMacBookのディスプレイ画質に合わせられるピクチャーモードが備わっています。ピクチャー設定で「MAC」というアイコンを選べばOK。↓
INNOCN 27M2VはMacBook Proのディスプレイと同じ色味にするため調整をかなり煮詰めていたのでMACモードは非常に興味があったのですが、うーん、何故かうまく色が合いません。
▼以下は本機とMacBook Proを縦並びで置いた状態で本機をMACモードに変更して撮影したものです。色が全然違いますね。↓
僕はAppleが調整したMacBook Proのディスプレイ画質をデフォルト基準として写真や画像を編集しているので、MacBook Proのディスプレイ画質は弄っていません。
本機もデフォルト状態でUSB‐Cで接続したのみ。カラープロファイルはデフォルトのGA27V1Mです。念の為、MacBook ProのTrue Toneもオン・オフしてみましたが変わらず。
僕の目が腐っているのかと思い妻にも確認してもらったのですが、色味は全然違うということで意見は一致。ただ他の人のレビューを見るとかなり色が近いという評価も見かけたので、何か設定方法が間違ってるのかな?と、不安に感じるほど色が違います。
とりあえず自力でMacBook Proに色味を近づけましたが、もし、「ここの設定を変更すると良いよ!」という情報があれば教えて頂けると嬉しいです。
INNOCN GA27V1Mの良い点・注意点・まとめ
良い点と注意点をまとめてみました。記事ではピックアップしていない点も入ってます。
良い点
- ベゼルがちゃんとホワイト
- ゲーミング部屋にもピッタリなRGBライト搭載
- ジョイスティック式となり操作がしやすくなった
- 2,304分割ローカルディミングで黒色表現力がアップ
- MiniLEDモデルで圧倒的な映像美を堪能できる
- MacBook Proと同じ滑らかさで使える
- FHDモードが実用的
- ゲーム用途でも全く問題ないスペック
- 液晶なので焼付きの心配無く長時間使える
注意点
- 設定画面の挙動が変
- ローカルディミングは映像コンテンツ向き
- スピーカーはオマケ程度の音質
- MACモードで色味が合わなかった
個人的にはINNOCN 27M2Vを愛用していたこともあり乗り換え決定ですが、HDRコンテンツをリッチな映像で楽しんでみたい!という人以外は本機ほどのディスプレイは不要です。
- HDRコンテンツをリッチな映像で楽しみたい人
- 長時間PCを操作することがある人
- 長時間ゲームをプレイする人
こんな感じであれば有機ELのような焼付きの心配も無くINNOCN GA27V1Mの利点を存分に味わえるはず。
購入したら是非HDRとローカルディミングをオンにして対応コンテンツを視聴してみて下さい。液晶とは思えない映像美に驚いてもらえるはず。
2,304分割のローカルディミングはスペックとしては凄いですが、万能では無いことは覚えておきましょう。特にPC作業ではアイコンが暗くなったり、クリエイティブ作業では色味に違いが出たりするので用途に応じて切り替えが必要です。
FHDモードは想像以上に画質が良く実用的。重量級ゲームが4Kで重い場合にFHDでプレイできるという保険的な安心感もあります。しかも320Hz表示が出来るというリッチなオマケ付き。
通常価格は98,950円なのでビックリする人も居そうですが、この仕様でこの価格ならコスパは上々です。それでも少し価格がネックだなという人はセールを狙いましょう。8万円を切っている場合は即買いしてOKです。
それではINNOCN GA27V1Mのレビューでした。参考になれば幸い。
■INNOCN GA27V1M■
通常価格→98,950円
▼Amazon:プライム感謝祭セールで74,299円!10月10日まで!↓
■メルカリで中古相場を調べる!■