Teclast P85Tの実機レビュー!1万円で買える激安タブレットはどれほど使い物になる?
柳生です。
今回は自腹(9,500円)で買ったTeclast P85Tをレビューしていきますよ!めっちゃ安いモデルだけに、どれほど使い物になるか気になった方はぜひとも見てってください。
Teclast P85Tはこんなモデルでした!
- 安っぽさを感じない筐体デザイン
- 画面は低解像度だがIPSで視野角が広くL1対応がGood
- アホみたいにタッチ感度が低い
- アホみたいな端子&ボタン配置。使いにくい
- アホみたいに安いからこそ許せる低スペック。快適さはないけど動くっちゃ動く
- でもマルチタスクで死ぬ
- Android 14は結構良いUIデザイン。便利だし気に入ってる
- 「サブのタブレット」なら大アリ。安さは大正義
- 「メインタブレット」としては絶対買うな
- 年頃の子供に与えないでください
▼外箱デザインは思った以上に普通。安いモデルだしもっとチープな感じを期待していましたが、割と普通に外箱してるデザイン。↓
▼Teclast P85Tの付属品はこんな感じでした!中華あるあるなんだけど、付属品がしっかり入っているし充電器もしっかり日本仕様にしているのは偉すぎる。↓
- 充電器
- 充電ケーブル
- 説明書
目次をクリックすると各項目へ移動します
スペック・ベンチマーク、検証結果の一覧
デザイン:外観は結構カッコいい
箱を開けて真っ先に驚いたのがボディのクオリティ。結構良かったんですよね。
▼カラーは明るめなグリーンって時点でポップだな~って思ってたんだけど、側面はフラット+ダイヤモンド加工で予想以上に質感がよく感じました。↓
こいつのボディ、なんとアルミニウム合金製だそう。プラスチックとは次元が違うレベルのクオリティなのはそういうことなのか‥変に力入れてるなァ。さすが中華メーカー。
▼触ってみたら背面パネルはサラサラでやや粗めなマット加工。指紋は完全に目立たん。さわり心地もいい感じでした。↓
▼8型サイズなので、よく見る10型よりもずっとコンパクト!でもコンパクトってのが逆にいいっすね。片手でも余裕で持てる。重さも335gとタブレットとしては軽いし。↓
▼カメラは完全に見せかけって感じな見た目。個人的には昔のiPadみてぇに完全に出っ張ってない形状であってほしかった。↓
まぁ今どきそのデザインを取り入れてくれるところなんてもう‥って思ってたんだけど、NubiaのRedMagicの最新モデルがそれをやってくれてたし、今後そういうモデルが増えてくれることに期待したい。
▼側面の配置はこんな感じ。↓
性能:普段使いでも重たさを感じる
性能帯はエントリースペック。SoCはAllwinner A523っちゅう聞いたことのないエントリーチップとなっています。
まぁわかってはいたんだけど、動作のモッタリ感はマジでいつもある。なんだったら動画を再生してるときや2D系ゲームしてるときはホームに戻るときとか、なんなら電源キー押してスリープするときさえも0.5~1秒のラグを感じちまいます。
アプリを全部落としている状態でさえももっさり感をわずかながら感じました。画面回転も1秒以上はかかるからおっせぇのなんの。
が、しかし筆者としては「思ったよりちゃんと動くな」って思っちまいました。期待値低すぎた模様。
▼あと筆者は元々MicroSDやNASにブチ込んだ動画や音楽を再生したり、YouTubeやプライムビデオで動画を流し見するって用途で割り切って買ってたんで、そういう点に絞って使うんだったら全然いい。↓
とはいえ、こいつはマジモンのエントリータブレット。なので過信は絶対禁物。クソ安いからこそ、このクソみたいな性能でも許されるわけです。
筆者は9,500円で買いましたが、サブタブレットならマジで良いって意味で満足。メインタブレットとしてはおすすめはできんです。
ゲームは2Dならギリ動く。3Dの重たいやつは無理
当たり前ですがゲーム用途にもおすすめできません。ってかやらない方がいい。
▼こういう2D系だったら問題なく動く(ただ起動とローディングがクソみたいに遅い)のでオセロとか将棋をさすとかだったら良いかもしれんです。↓
▼ミニゲーム系でも3Dが交じると結構厳しくなります。↓
原神とか重たい3D系アプリは5億パー無理。そもそもプレイフィールどころか読み込みが終わらずプレイできん。できたとしてもゲームする気さえ起きません。タブレットで原神したいならギャラタブかLenovoのLegionとかiPad買ってください。
メモリ拡張の効果はあまり感じない
そういえばこいつ、メモリ8GBなんて感じで謳われてるんだけど、その実は「物理メモリ4GB」+「仮想メモリ4GB」って感じです。
編集長もツッコんでたけどこういう書き方はどうなんだろうね。筆者はアウト寄りのアウトだと思ってるんだけど。
ちなみにオンとオフとで動作の違いは感じませんでした。細かいところで読み込みが早くなってるとかあるんかもしれんけど、そもそもSoCの性能自体が終わってるからどのみち遅い。遅いって思い込んでるからもう違いを感じることができないのかも。
皆さんはくれぐれも「大容量!メモリ8GB!」とか「オクタコアCPU!」とかそういう文言にだまされちゃあいけませんよ。ああいうことをわざわざ書くってことはそれほど他に書くことがないわけだし。
MicroSDは直挿し式。何度も出る通知がウザい
容量に関しては内蔵が64GBと控えめですがMicroSD対応なので無問題です。むしろこれに対応してないと買わなかったぐらい。
▼すでにご存知の通りTeclast P85Tくんにはカード用のトレイがありません。カードは直接ぶっ刺すタイプ。ノーパソみたいだぜ。カチッとはめ込む感触は結構楽しいし、造りは割としっかりしてるようです。↓
▼ただなぜかわからんけど、SDカードさしたときの通知の表示が鬱陶しい。基本的にMicroSDを認識するときだけ出てくるんだけど、Teclast P85Tの場合は一定期間ごとにこのSDカード通知が表示されます。↓
この通知はミュートできないのですがサイレント通知にすることでアイコン表示などを黙らせられるのは救いですね。不具合なのかわからんけどサイレント推奨。
画面:IPSってのが良い。解像度は思ったほど気にならん
ディスプレイスペックは8型で小さく、解像度は1,280×800と低め。でもIPS液晶って時点ですべて許せます。そうでなかったら許せてない。
▼なんでIPSがいいかっつうと、色合いの出方や視野角の広さが有利なんですよ。斜めから見ても色のくすみを感じにくいんで、机において動画とか流してても見えにくかったりなんてことはないんで‥それが良いんすよ。↓
解像度は低いから文字のツブレ、ドットの粗さは感じます。とはいえ離れれば気にならん。
あとYouTubeで1080p60解像度で再生をしてみましたが、途中でカクついてひっかかるってことがありませんでした。良かった。
というのも昔買ったエントリーモデルHEADWOLF WPad 1ってやつはHelio P22Tでこいつよりも性能が低いんですが、そのレベルだとYouTube再生すらも安定しなかったので‥
まぁコイツの場合は画面解像度の問題(1,200×800)で1080p再生が物理的にできないんだけど、逆にそのほうが良いのかもしれない。解像度が低いと負荷も低くなるんで、それで逆に安定してるんだろうなって思ってます。
タッチレートが低いから追従性が無い
▼ちなみにリフレッシュレートは60Hzですが、Touch Sample Rate Testerアプリで計測したところタッチレートは52~59Hzと出ました。つまりタッチの追従性は鈍いです。一昔前のカーナビぐらい鈍い。↓
筆者が見てきた限りですが、リフレッシュレートが60Hzモデルだとタッチレートは120Hzってのが多かった。それと比べりゃあ、この点はやはり安物タブレットなりといったところでしょう。
タッチの追従性はイライラするぐらい遅いんだけど、スマホとは違ってあんま触ることはないから筆者的にはOK。実使用ではほとんどクリックベイトじみたクソサムネをタップするだけでしたからね。何よりこいつ安いし。
つまり、文字入力が多い場合とか手書き・タッチペンで絵やメモを書くとかそういった使い方にはまったく向きません。
WEBニュースとかSNSとか見たり文字入力も多い‥って方ならコイツじゃなくて、性能がワンランク上がって1.5万円あたりの8.4型タブレット「ALLDOCUBE iPlay 50 mini NFE」を買ったほうがサクサク動かせるって意味でも幸せでしょう。
Widevine L1ってのは救い
筆者的に高評価なのがWidevine L1対応って点。ただしNetflixのみHD再生は不可でSD画質(低画質)となります。安いのによく頑張ってるよこれ。
▼筆者はプライムビデオで動画を見るんですが、やはり高画質ってのは良いもんですな。↓
上でも書いた通り解像度はHD+(720p)クラスが上限なんだけど、SD画質(480p)と720pクラスでの精細さは別モンですよ。作業しながらアニメとかコメディ動画を流し見するにバッチリでした。
スピーカー:性能もジャックの配置も終わってる
Teclast P85Tはデュアルスピーカーなんだけど、他のタブレットと違って配置がモノラルスピーカー搭載スマホみたいに偏っちまってます。
音質はマジで安物のそれ。使えなくはないけど、低音域がオワコン。ほぼ響くことはありません。臨場感ってなに?ってレベル。
人物の声とかそういうのはしっかり聞こえはしますが、最大音量も低めなので離れるとちょっと聞こえにくくなるって感じ。
イヤホンジャック端子があるのは救いなんだけど、配置が終わってます。縦向けだったら良いんだけど、横に倒した場合は下部に面してしまうためL型端子でもなければ床にぶつかるんすよ。
▼L型端子でもこのぐらいギリギリ↓
かといってひっくり返してしまえば電源キーと音量キーが下になってしまうのでそれはそれで使いにくくなる。非常に考えもんです。
スピーカーの配置からして完全に縦向けで使ってねってことなのかもしれない。とはいえ、せめて充電端子の真横にジャック置いてほしかったんだが‥。
OS・機能:Android 14、思ったよりいいじゃん!
Teclast P85Tの特色は投げ売りレベルの安さとWidevine L1対応だけではなく、そのOSバージョンにもあります。他モデルよりも一足早いAndroid 14に対応しているんですよ。
▼Android 14の新機能であるロック画面カスタマイズも対応。デカい時計表示も小さめに表示させることができるようになったり、色の変更もできるようになりました(壁紙は自分で変えたヤツ)。↓
▼Teclast独自のカスタマイズかは不明ですがアプリ履歴画面も改善されており、直近に開いていたアプリは大画面に、それ以前のアプリはMIUIみたくタイル表示されるようになっています。↓
▼通知とコントロールパネル画面はこんな感じ。↓
▼地味にマルチユーザー機能も対応しています。↓
▼通知受信時は画面を光らせるっていう事ができるようになっています。設定した色、例えば黄色に設定すると、なんかの通知が来たときにこういう感じで黄色で画面が点滅します。↓
▼「ステータスバーの非表示」「スワイプダウンで通知メニューを開かない」「横向き画面表示の強制」という設定も可能。ただこれ未翻訳であることからTeclast独自の機能の可能性があります。↓
個人的には強制横画面表示が使えるかな?って思ったんだけど、上述したようにスピーカーやイヤホンジャック端子の都合もあるから縦で使うこともあるし、あとアプリによっては固まって死ぬこともあり安定しないので結局オフ。
▼YouTubeのショート動画の横画面表示↓
▼縦画面表示されるゲームアプリも対応しているが、こいつは固まったままで動作せず無事死亡。使えません↓
▼そして生意気にもタスクバー機能にバッチリ対応。基本的にWindowsみてぇに下部に常駐するんで、待ち受け画面で開きたいアプリをこういう感じで据え付けておけばいつでもアイコンが出てきてくれます。マジで便利よこれ。↓
▼アプリアイコンをドラッグアンドドロップで分割表示も可能。でも物理メモリが小さいんでより重たくなります。おすすめできん。↓
とはいえ、このタスクバーはデフォルトのランチャーでないと安定しません。Nova Launcherに切り替えた場合でも出てきてはくれるんだけど、アプリを押すと強制終了しちゃう。
あとタスクバー、なんとジェスチャー式でも出てきてくれます。この下部のバーをゆっくり上に引っ張ることで、設定したアプリが飛び出してくれる。こっちは安定して動きますね。
▼左下のバーを上に動かすと右下のようにアプリ一覧が出てくる↓
カメラ:画質が終わってる
カメラに関してはマジで予想通り。激安中華タブレットのカメラは記録撮影にすらなるかさえもわからんですが一応参考までに。
▼どうでもいいけどズーム時に倍率が出ません。代わりに倍率を示すバーが出てきます。初めて見たぞこんなん!↓
撮影した写真はこんな感じ。全部フルオートで設定いじってません(そもそもいじれるぐらい設定項目すらありませんが)。
▼色合いは薄め、暗所だとノイズが目立つ。解像感も無い↓
▼焦点距離も遠め。近距離だとピントが合わない↓
▼メシ撮り。ディストピア感あふれる激安ネギトロ丼。やっぱりピントが合わない↓
インカメラもヤベぇ、コイツは10年前のノーパソのインカメみたいな画質です。笑っちまったよこんなん。同じくエントリー帯タブレットのOSCAL Pad 10ではあんなにきれいだったのに‥。
▼Teclast P85Tで撮影したインカメ写真↓
いっそこのクラスのタブレットならカメラは全部オミットしてもっと安くしてくれても‥なんて思えますね。そうすればもっと尖って人気出るかもしれんです。
バッテリー:持ちは悪いし充電速度もノロい
ガルマックス流のバッテリー検証。2時間の動画再生では20パーぐらい減りました。電池持ちも良くない。
▼充電も遅いです。50パー充電するのに3時間半ほどかかるペースでした。↓
とはいえ基本的にデスク横に据えて充電しっぱなしで置いてるから筆者的には無問題。充電中なら電池切れの心配がないし。
Teclast P85Tまとめ
上でも散々書いた通りコイツは安かろう悪かろうの代名詞みたいなモデル。でも良いんです。割り切って買ってるから。
どれほど使い物になるかというと「用途を1つに絞って使うのなら十分」といったもんで、やはりゲームにもマルチタスクにも向きません。マジでコンテンツ視聴に絞った方がいいし、WEBやSNS閲覧でさえも厳しい。
おすすめできる場合は以下の通り!
- とにかく安いタブレットがほしい
- タブレットを動画、音楽再生、電子書籍にのみ使う場合
- 映画やアニメを安く楽しめるタブレットを探してる(FHD画質にこだわらなければ)
- スピーカーがあって、イヤホンジャックで音声を出力できる環境がある
メインで使うタブレットなら、別で買ったほうが良い。筆者的にメインでの最低ラインはRedmi Pad SE(Snapdragon 680、2.2万)か、Blackview Tab 16(UNISOC T616、2.8万)あたりをおすすめしときます。
あとお子さん用のタブレットとして買う場合はマジで注意です。特にゲーム重視なら最低でもXiaomi Pad 5、余裕があればその次世代のXiaomi Pad 6を買ってあげましょう。
幼児あたりならこのモデルでも動画を見せる用途とかに良いかもしれません。実際、それ用の派生モデルだってありますからね。
しかし、そこそこ年頃のお子さんに買い与える場合はその子が筆者のように「性能と価格をわかって、割り切れるタイプ」でもなければ与えないほうが吉。でないと、悲しいAndroidアンチが生まれてしまうんで‥